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中国のデリバティブ市場で、高頻度取引(HFT)の「速さの優位」を削ぐ措置が動き出した。取引所のデータセンター内に置かれてきた特定顧客向けサーバーを外部へ移設させ、ミリ秒単位の差で収益機会を得る取引を不利にする。市場の公正性や過度な短期売買の抑制が狙いとみられる。
取引所データセンターからの撤去指示 対象は先物取引が中心
ブルームバーグによると、中国当局の主導で、上海や広州の商品先物取引所が現地ブローカーに対し、顧客サーバーを取引所運営のデータセンターから移設するよう求めた。サーバー撤去はHFT企業専用の設備が主眼とされるが、実務上は幅広い参加者に影響し得る。上海先物取引所では「高速取引の顧客向け機器」を2026年2月末までに搬出し、それ以外の顧客分は同年4月30日までとする期限が示されたという。つまり、規制当局が取引インフラの配置そのものに介入し、速度競争の前提条件を変えようとしている。
同報道が示す核心は、いわゆるコロケーション(取引所のシステムに近い場所へ機器を置くこと)で得られる遅延(レイテンシー)優位を縮小する点にある。取引所のマッチングエンジン近傍にサーバーを置けば、気配値更新や約定の情報をより早く受け取り、注文も先に到達しやすい。これが積み重なると、同じアルゴリズムでも損益が変わるため、場所と設備が「参入条件」になりやすい。撤去は、速度の差を資本力の差へ直結させにくくする制度設計だといえる。
売買高やボラティリティへの影響 国際勢も巻き込む可能性
投資情報サイトのinvestingLiveは、この措置が国内外のアルゴリズム取引に波及し、海外勢も含めた高速系プレーヤーの運用に影響し得ると伝えた。サーバーが取引所施設外に移れば、通信経路は長くなり、戦略は再調整を迫られる。HFTは板の薄い時間帯に流動性を供給する一方、急変局面では注文の取り消しや回転売買が相場の振れを増幅させるとの指摘もある。規制側は後者を問題視し、取引の「リズム」を落とす方向にかじを切った可能性が高い。
商品市況への即時反応も出ている。Moneycontrolは、上海先物取引所が主要な金属取引の場であることに触れつつ、サーバー撤去の観測を受けて上海の銅・亜鉛・アルミなどが下落し、ロンドン金属取引所(LME)でも弱含んだと報じた。短期的には売買高の低下やスプレッド拡大など「取引コスト増」に近い現象が起こり得る一方、急騰急落の頻度を抑える効果が出るかは検証が必要だ。取引インフラの規律強化が常態化すれば、流動性の質と市場監視の強度をどう両立させるかが、次の焦点になっていく。
