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中国商務省は2026年3月16日、米国が強制労働を理由に始めた新たな通商調査に抗議したと発表した。米通商代表部の発表によると、米国は現地時間2026年3月12日(日本時間13日)、各国が強制労働への対策を怠っているかを巡り、通商法301条に基づく60件の調査を始めた。中国側はこれを関連法の乱用と批判し、正常な国際貿易秩序を損なうと反発している。
米301条調査、60件着手 労働問題を通商圧力に接続
今回の措置は、米政権が人権や供給網の透明性を、関税や輸入規制と結び付ける流れの延長線上にある。米国では1930年関税法307条により、強制労働で生産された製品の輸入を禁じており、2022年には新疆ウイグル自治区を念頭に置いたウイグル強制労働防止法の運用も始まった。今回はその問題意識を二国間の広い通商調査に広げた格好だ。
301条は、相手国の制度や慣行が米国の通商利益を不当に害していると判断した場合、追加関税などの対抗措置につなげられる仕組みである。鉄鋼、海事、半導体など個別分野での調査が続くなか、労働問題が新たな争点として前面に出たことで、対中摩擦は関税水準だけでなく、企業の調達網や原材料の出所管理にも波及しやすくなった。
中国商務省、国内法乱用と反発 対立の射程さらに拡大
中国側は、米国が自国法を域外に広げて通商上の圧力手段として使っているとみている。北京はこれまでも、強制労働や非市場政策を理由にした米国の調査や制裁は事実に基づかず、企業活動とサプライチェーンを混乱させると主張してきた。今回も同じ論法で抗議に踏み切ったことで、制度論争は人権と安全保障を絡めた包括的な通商対立へ一段と広がった。
当面の焦点は、米側が60件の調査をどこまで具体的な制裁や関税措置に結び付けるかにある。調査対象国の反発が強まれば、個別品目の輸入規制だけでなく、企業に求める原産地証明や供給網監査も厳しくなる可能性がある。米中間の応酬は、関税交渉の範囲を超え、貿易と人権を一体で扱う新たな摩擦局面に入りつつある。
参考・出典
- March | United States Trade Representative
- USTR Greer: Expect Section 301 Investigation Related to Forced Labor to Cover About 60 Countries | MarketScreener
- Section 307 and U.S. Imports of Products of Forced Labor: Overview and Issues for Congress
- 美国贸易代表办公室首次发布打击强迫劳动的贸易战略
- 中美经贸关系中方立场白皮书|关于中美经贸关系若干问题的中方立场
