本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
奄美大島周辺の日本の排他的経済水域内で、中国の海洋調査船の活動が短期間に相次いだ。第十管区海上保安本部の大達弘明本部長は2025年10月23日の定例会見で「短期間で複数回確認したのは特異。監視を続ける」と述べた。9月末から10月中旬にかけて計7回を確認している。
短期間で7回、奄美沖で何が起きているのか
静かな海面の向こうで、巡視船のレーダーに見慣れぬ軌跡が重なった。第十管区海上保安本部によれば、2025年9月末から10月中旬にかけて、奄美大島周辺のEEZ内で中国の海洋調査船の活動を7回確認した。現場では態勢を強め、情報収集が続いたとみられる。
海保は、同意のない海洋調査の疑いがあるとして、その都度、巡視船から無線で中止を求めた。9月28日と10月13日の事案では調査船側から応答があったが、内容は「方針上、明らかにできない」とした。10月13日には「向陽紅22」の船名も確認されている。
大達本部長は23日の会見で「短期間で複数回確認したのは特異。監視を続ける」と述べ、「第十管区はまさに現場を抱えている。法執行機関として予断なく、監視と警戒を続ける」と強調した。緊張の度合いが一段と高まる構図が浮かぶ。
EEZのルールと日本の立場
排他的経済水域は、沿岸から200海里の範囲で沿岸国が資源や海洋環境、海洋の科学的調査に関して一定の権利と管轄権を持つ海域である。国連海洋法条約は、EEZでの海洋の科学的調査は原則として沿岸国の同意を要すると定め、法的枠組みを示している。
日本政府は、我が国のEEZで外国が海洋科学調査を行う場合、事前の同意が必要との立場をとる。実務では、海上保安庁が現場で調査の有無を点検し、必要に応じて中止を要請する。今回もこうした手順に沿う運用が続いたとみられる。
一方で、個別のやり取りや装置の投入状況など、運用の詳細は公表されないのが通例である。現時点で確認されている範囲では、無線の応答があった2件を除き、具体的な交信内容や航跡は明らかでない。冷静な検証が進む段階にある。
背景と地域社会に広がる視線
第十管区によれば、2020年以降に同管内で中国の海洋調査船の活動が確認されたのは2022年と2023年でそれぞれ1回だった。今秋はわずかな期間に7回が重なり、頻度の跳ね上がりが際立つ。連続性に、状況変化の気配がにじむ。
奄美の海は、遠洋漁業や離島航路の生活線でもある。調査船の動きが続けば、操業や航行の安全確保に配慮が要る場面も生じる。海保は巡視船や航空機で監視を強め、関係者への情報提供を進める。地域では注視の視線が広がっている。
政府内では、関係省庁が情報を共有しつつ、外交と警備の両輪で対応を磨く段階にあるとみられる。海域の秩序を守る作業は、短距離走ではなく持久戦に近い。現場の足元を固めながら、透明性と説明責任をどう確保するかが鍵になる。
