換金目的で銅線盗む　兵庫県警加古川署が27歳男逮捕

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2025.12.15

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兵庫県警加古川署は2025年12月15日、マンション解体工事の現場から銅線を盗んだとして、明石市の27歳の無職の男を窃盗容疑で逮捕した。男は家計の逼迫を理由に、盗んだ銅線を売った趣旨を認めているという。夜から朝にかけて人の目が薄くなる工事現場は、金属が「換金しやすい物」として持ち去られやすい場所でもある。

解体工事の「空白の時間」を突かれた

逮捕容疑は、播磨町西野添4のマンション解体工事現場で、2025年11月27日17時ごろから28日8時ごろまでの間に銅線約70kgを盗んだ疑いだ。被害額は約4万7000円相当とされる。狙われたのは、建物の内部から引きはがされる配線そのものではなく、現場にまとまって置かれた「素材」だった。

解体現場は工程が日々変わり、資材の置き場も動きやすい。囲いはあっても、出入り口の施錠や夜間の死角対策が後回しになりがちだ。量が増えるほど運び出しの手間はかかる一方、短時間でも「持っていける分だけ」で成立してしまうのが金属盗の厄介さである。

盗品が動く先を絞る、という発想

男が「売った」と供述している点は、事件の焦点を現場の警戒だけにとどめない。The Asahi Shimbun（英語版）などは、警察庁が金属盗の増加を問題視し、2023年の認知件数が約1万6000件規模に達したことや、被害額の大きさを背景に流通側の規制議論が進んでいると伝えている。盗む側の動機が生活苦であっても、売り先が容易に見つかる限り歯止めはかかりにくい。

一方で、現場がすぐにできる対策もある。京都府警は金属盗の被害防止として、銅線などを屋外に放置せず施錠できる場所に保管すること、防犯カメラやセンサーライト、巡回の強化などを挙げる。盗難の「出口」を狭める制度と、現場の手間を前提にした守り方が、同時に問われている。