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山あいの細い林道の脇に、畳や木材がうず高く積み上がっていた。異変に気づいた毛呂山町の職員の通報から、住宅解体で出た廃材を山中に投げ捨てたとして、トルコ国籍の解体工の男が廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕された。現場には川越市の解体現場から運ばれたとみられるごみがおよそ2.3トン残され、周辺では別の投棄も見つかっている。
山あいに捨てられた2.3トンの解体ごみ
逮捕されたのはトルコ国籍で解体工のエディキリ・クルサット容疑者(21)だ。警察によると、容疑者は2025年5月ごろ、仲間と共謀して埼玉県毛呂山町の山林に木材や畳などを違法に運び込み、林道脇からダンプカーでまとめて投棄した疑いが持たれている。ごみはいずれも住宅の解体で出た廃材で、量はおよそ2.3トンに達していたという。
捨てられていた廃棄物は、川越市内の住宅解体現場から運び出されたものとされる。現場では畳のほか、トタン板の屋根材や瓦といった建材も折り重なるように放置されていた。毛呂山町の職員が山の中で不自然に積まれたごみを見つけて警察に知らせたことで、事件が明るみに出た。エディキリ容疑者は調べに対し、不法投棄を行ったことを認めているという。
ごみが見つかった場所の周辺では、別の地点でも廃棄物が捨てられているのが確認されている。警察は同じルートを使ってほかの人物が投棄した可能性もあるとみて、関係先の解体業者や運搬経路を詳しく調べている。山林は生活道路や住宅地から離れている一方、一度捨てられたごみが長く残りやすく、環境や景観への影響が懸念されている。
不法投棄が問われる理由と地域のまなざし
廃棄物処理法では、定められた処分場など以外の場所にごみを捨てる行為を不法投棄とし、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金など重い罰則を定めている。解体工事で出る木くずや瓦などは産業廃棄物と呼ばれ、本来は自治体の許可を受けた処理業者に委託し、適切な手続きで処理しなければならない。コストや手間を省く目的で山林や空き地に廃材を捨てる行為は、地域の環境を損なうだけでなく、真面目に処理費用を負担する事業者との不公平も生む。
毛呂山町では、職員による巡回や県の産業廃棄物不法投棄110番といった通報窓口を通じて、山間部での監視体制を強めてきた。今回の事件も、現場をよく知る職員の目が手がかりとなった。各地の自治体は、不法投棄が一度起きるとそこに次のごみが重ねて捨てられやすいと指摘しており、早期の発見と撤去が欠かせないとする。静かな山の景色の裏側で、ごみを見逃さない人の視線が、環境を守る最後の砦になっている。
山に残された廃材が片づけられるまで、地域の人々は静かな木立を見上げながら、その重さを感じ続けることになりそうだ。