AIと計算基盤を科学へ接続　米国、Genesis Missionで連携拡大

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2025.12.22

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米エネルギー省は2025年12月18日、AIと計算基盤を科学研究に結び付ける国家プロジェクト「Genesis Mission（ジェネシス・ミッション）」を進めるため、企業や研究支援団体など24組織と連携協定を結んだと発表した。まずはAI・コンピューティング産業が中核を担い、今後は大学や非営利団体、研究機関を巻き込む追加発表も予定している。

研究現場に届く「国家級AI基盤」の輪郭

Genesis Missionが掲げるのは、国立研究所のスーパーコンピューターや実験施設、独自データをつなぎ、AIで研究の手戻りを減らす「科学のための基盤」を整えることだ。ホワイトハウスは、実験計画の自動化やシミュレーション加速、予測モデルの生成を通じて、研究の生産性を押し上げる構想だとしている。成果が出れば、研究者が装置の空き待ちや解析のボトルネックに縛られる時間が減る可能性がある。

ただし「誰が、どの条件で、何を使えるのか」という運用の詰めが進まなければ、現場の手触りは変わりにくい。エネルギー省は、Genesis Missionで生まれる成果を特定企業の方式に固定しない「architecture-agnostic（特定アーキテクチャー非依存）」で扱う方針を示した一方、2026年1月14日締め切りのRFIなどを通じ、データ整備や連携の形について広く意見募集も始めている。参加枠を広げる設計ができるかが、次の焦点になりそうだ。

Big Tech連合の狙いと、残る問い

参加企業にはMicrosoft、Google、NVIDIA、Amazon Web Services、Oracle、Intel、IBMのほか、OpenAI、Anthropic、xAIなども名を連ねる。Reutersは、クラウドや半導体、AIモデルなど提供物が企業ごとに異なると伝えており、国家側は「研究の加速」と同時に、重要技術で国外依存を下げたい思惑も透ける。協定が「調達」ではなく、関心表明や既存協力の延長を含む点も、動き出しの柔らかさを示す。

政策面では、AI規制の障壁撤廃を掲げる大統領令（2025年1月23日）や、Genesis Mission立ち上げ（同年11月24日）の流れが土台にある。だからこそ、研究コミュニティが気にするのは、成果公開の範囲、知的財産の扱い、そして安全保障上の制約と学術的オープンネスの折り合いだ。24組織の「先行グループ」から、大学や非営利まで含む裾野の広い枠組みに育つかどうかで、国家プロジェクトの評価は変わってくる。

研究現場に届く「国家級AI基盤」の輪郭

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参考・出典