エルサルバドルでギャング「MS-13」に超長期刑、248人に数百〜千年判決

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2025.12.22

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エルサルバドルの検察当局は12月21日、悪名高いストリートギャング「マラスアルバトルチャ（MS-13）」の構成員248人について、殺人や失踪を含む事件で厳しい量刑が言い渡されたとXで公表した。合算で数百年、なかには千年を超える刑期となる例もある。治安回復を掲げる強硬策は、いま司法の場で何を可視化しているのか。

「数百年」「千年超」が意味する司法のメッセージ

検察当局の説明では、248人は少なくとも43件の殺人と42件の失踪に関与したとされ、ほかの犯罪も含めて「模範的」と位置づける重い判決が出た。報道では、1人が1,335年、別の10人が463年から958年の刑期とされた。数字の過激さは、個々の犯罪の積み上げが社会に与えた損失の大きさを、量刑という形で突きつける狙いが透ける。

ただ、こうした判決が示すのは「終わり」ではなく、「整理の始まり」でもある。検察当局は、ギャングが商店主らに金銭を要求し、脅迫によって営業継続が困難になった例があったとも説明している。被害の実態を司法手続きに載せ直し、誰がどの事件に責任を負うのかを確定していく作業は、社会の恐怖を解く一歩になる一方、裁判の透明性と丁寧さが問われやすい局面でもある。

治安回復の陰で膨らむ「手続きの負担」

エルサルバドルでは2022年3月以降、ギャング対策を理由に非常措置が続き、令状なしの拘束を含む強い権限で取り締まりが進んできた。報道や当局発表によれば拘束者は9万人を超え、無罪と判断されて釈放された人も約8,000人に上るという。犯罪件数の減少が語られる一方で、手続きが追いつくかどうかは別問題として残る。

AP通信は2025年に、非常措置下で拘束された多数の容疑者について、起訴前拘束の延長が承認され、大量の事件を分類して「集団裁判」の計画が進む状況を伝えている。強硬策が長期化するほど、証拠の精査、弁護権、裁判の迅速性といった基本の土台が耐えられるかが焦点になる。重刑判決が続くほど、治安の成果と手続きの正当性をどう両立させるのかという問いは、より鋭く突きつけられる。

「数百年」「千年超」が意味する司法のメッセージ

治安回復の陰で膨らむ「手続きの負担」

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