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米下院監視・政府改革委の民主党議員団が日本時間の2025年9月27日、故ジェフリー・エプスティーン元被告に関する新たな資料を公開した。予定表や飛行記録の写しに、イーロン・マスク氏やアンドリュー英王子の名が見える。捜査の核心を突く決定打ではないが、名簿に並ぶ顔ぶれが示す交友の広がりは、事件の余韻をいまに引き戻す材料になっている。
新たに判明した「予定」と「移動」
今回公表分には、エプスティーン元被告の予定表の抜粋、航空機の搭乗記録の写し、財務台帳、通話記録などが含まれる。いずれも元被告の遺産管理側から委員会に提出された資料で、個人情報や被害者保護の観点から一部は編集済みだ。現時点で確認されている範囲では、資料の列挙は交友関係と動静の断片を示すにとどまり、違法行為の立証には直接つながっていない。
予定表の一部には、2014年12月6日に関するメモが残る。「リマインダー:イーロン・マスクが12月6日に島へ(これはまだ予定通り?)」と記され、元被告が所有していた米領バージン諸島の島を想起させる記述だ。実際の訪問の有無は読み取れない。
別のページには、2017年11月27日にピーター・ティール氏との昼食会が入っている。投資や政治と接点の深い同氏の名が、元被告の予定表という生活の細部に紛れ込む。
さらに、2019年2月16日の朝にはスティーブ・バノン氏との朝食会が予定欄にある。いずれの項目も「会う計画」を示す断片であり、面談の実施を証明するものではない。
移動記録では、2000年5月12日の搭乗者名簿にアンドリュー王子の名が見つかる。ニューヨーク近郊からフロリダ州ウェストパームビーチに向かった便で、元被告本人とギレイン・マクスウェル受刑者の名も並ぶ。
渦の中心に立つ人々の応答
名前が出たからといって、その人物が犯罪行為を認識していたとは限らない。この点は委員会側も繰り返し強調している。マスク氏は公開直後に「事実ではない」と短く否定し、過去にも島への招待を断ったと主張してきた。アンドリュー王子は不正行為を一貫して否定しており、過去の民事訴訟では争わずに和解へと転じている。
政治の側面では、民主党側が新資料を公にし「影響力のある人物との関係が広がっていた」と訴える一方、共和党側は「選別的な公開だ」と反発している。委員会は今週、提出を受けた資料一式を順次公開する方針を示し、通話記録など未公表分の処理を急ぐ構えだ。調査の主眼は、政府当局の捜査対応の検証と、被害者保護の徹底、そして関係文書の全面的な透明化にある。
委員会民主党の報道担当者は「生存者と被害者のために正義を実現する取り組みを進める」と述べたとされる。声明のトーンは攻撃的というより、引き続きの情報開示を促す呼びかけに近い。対する共和党主導部は「全体像を隠さず出す」と強調しており、双方の駆け引きは次の公開タイミングに持ち越された。
長い影を落とす過去、捜査の焦点はどこにあるのか
事件の原点は2008年にある。当時、フロリダ州で未成年者に対する性的虐待で起訴され、司法取引の末に有罪となった。以降、元被告は性犯罪者として登録され、交友や資金の動きが徐々に公的監視の対象となっていく。
その後、2019年に性的人身売買容疑で逮捕・訴追された。同年夏、ニューヨークの拘置所で自殺し、刑事訴追は途絶えたが、関係資料の洗い直しと捜査の検証は政権交代をまたいで続いてきた。政府の捜査に不備がなかったか、政治的配慮がなかったかという論点が、委員会の調査線上にある。
共犯として有罪判決を受けたギレイン・マクスウェル受刑者は2021年に量刑を言い渡され、長期の服役に入った。ここ数年で公開が進んだ資料群は、誕生日ブック、遺言、電話帳、そして今回の予定表や搭乗記録へと広がる。断片の積み重ねは、交友圏の輪郭を太くする一方で、誰が何を知っていたのかという核心にはまだ届いていない。
名が記されていること自体は事実だとしても、記載の意図や文脈、実際に会ったのか、あるいは移動の理由は、文書だけでは判然としない。現時点で確認されている範囲では、今回の公開は「線を引く」よりも「点を増やす」性格が強い。だからこそ、委員会による網羅的な公開と、被害者保護に配慮した実務の両立が問われる。政治の思惑を越え、必要な資料が整然と並べられたとき、ようやく全体像が見えてくるはずだ。