米司法省がエプスティーン資料公開、黒塗り多く透明性に疑問

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2025.12.22

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米司法省は2025年12月19日、性犯罪で有罪となったジェフリー・エプスティーン元被告（2019年死亡）に関する捜査資料の公開を始めた。11月に成立した「Epstein Files Transparency Act（エプスティーン文書透明化法）」が定めた期限に合わせたが、黒塗りや既出資料が多く、透明性と被害者保護をどう両立させるかが改めて問われている。

黒塗りは「保護」のためか、「不信」の火種か

司法省側は、公開対象の資料が被害者や親族の特定につながり得る点を強調する。トッド・ブランチ司法副長官は、被害者の身元を示す情報は非公開にしたと説明し、公開後に一部資料をいったん取り下げて確認する動きも出た。Reutersは、ドナルド・トランプ大統領が写る写真が一時的に外された後、被害者が写っていないと判断され復帰したと伝えた。

一方で、公開物の中身は写真、通話記録、過去の法廷資料など幅広いものの、読めない箇所が目立つ。CBS Newsは、文書の中に全面黒塗りのページが多数あると報じ、情報が増えた実感を持ちにくい状況を映した。公開された写真には、故マイケル・ジャクソン氏や英王室のアンドルー王子、ビル・クリントン元大統領ら著名人が含まれるが、写り込み自体が違法行為を示すわけではない点も、受け止めには注意が要る。

透明化法が求める「説明責任」は満たされたのか

透明化法は、被害者の個人情報や児童性的虐待資料（CSAM、児童を性的に搾取した画像や動画）などを除き、捜査関連の未分類記録を検索可能でダウンロードできる形で公開するよう求める。さらに、何をどの根拠で伏せたのかを説明する仕組みも織り込まれている。だがPBSは、初回公開が「大量の黒塗り」を伴う形で始まったと伝え、国民の検証可能性がどこまで担保されたのかという論点を残した。

政治的な波紋も広がる。Peopleは、トランプ氏が写る画像を含む複数ファイルが公開直後に見えなくなった経緯を報じ、疑念を呼んだとした。司法省は、政治家名を守るための編集はしていないとの立場を示しているが、法の趣旨が「隠さないこと」だけでなく「なぜ隠すのかを説明すること」にある以上、今後の追加公開と説明の出し方が信頼回復の焦点になる。

黒塗りは「保護」のためか、「不信」の火種か

透明化法が求める「説明責任」は満たされたのか

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