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今年の世相を映す「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」で、年間大賞に選ばれたのは、高市早苗首相のフレーズ「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」だった。 女性初の内閣総理大臣となった高市首相の言葉は、政治の場を超えて、私たちの働き方や暮らしの不安と期待を映し出す。女性首相の“働きづめ宣言”は、私たちの働き方に何を問いかけているのか――この記事では、その意味と背景、そして社会への波紋をたどる。
生活者に突き刺さる「働きづめ」の違和感と共感
高市首相の言葉は、自民党総裁に選出された直後の決意表明として発せられたもので、「とにかく働き続ける」という強い覚悟を前面に押し出したフレーズだ。 長時間労働の是正やテレワーク普及で、ワークライフバランスがようやく議論の中心に据えられつつあるさなかに、トップ自らが「働きづめ」を掲げたことは、多くの人に驚きと戸惑いをもたらした。一方で、景気や安全保障の不安が続く中、「リーダーにはこれくらいの覚悟が必要だ」と共感を示す声もある。
マイナビニュースによれば、このフレーズは「ワークライフバランスを捨てる」と受け取られかねないとして賛否が割れたと報じられている。 仕事と生活の線引きが難しい非正規雇用やフリーランスも増える中で、「働くこと」だけを前面に出すメッセージは、自分の健康や家族との時間をどう守るかという、生活者の切実なテーマとぶつかる。首相の覚悟の言葉が、現場の疲弊感を逆に際立たせてしまう危うさも抱えている。
それでも、この言葉が年間大賞になるほど広く知られた背景には、日々の暮らしの不安がある。トップテンには、山間部で深刻化する「緊急銃猟/クマ被害」や、季節が二つしかないかのような気候変動を示す「二季」、記録的ヒットとなった映画「国宝(観た)」などが並んだ。 自然災害や物価高、歴史の重みを感じさせる作品など、生活の足元を揺らす出来事と、ささやかな楽しみや希望が同じ一覧に並ぶことで、「働き続ける」ことの意味もまた、改めて問い直されている。
首相の言葉が選ばれた16年ぶりの意味
今回の年間大賞は、高市首相にとって、女性初の首相就任に続く「もう一つの栄冠」となった。時の首相の言葉が年間大賞を受賞するのは、2009年の鳩山由紀夫首相「政権交代」以来16年ぶりで、これまででも5例しかないという。 政治リーダーの一言が、流行語として世相を象徴する位置にまで浮かび上がるのは、それだけ国民の視線が政治の行方に注がれている裏返しでもある。
この賞は、自由国民社の「現代用語の基礎知識」編集部が選んだ30語から、講談師の神田伯山氏や漫画家の辛酸なめ子氏ら選考委員が10語を絞り込む仕組みだ。 2024年までは通信教育のユーキャンが協賛していたが、今年からは生命保険大手のT&D保険グループが特別協賛に入り、名称も変わった。 世相を切り取るだけでなく、リスク管理や保障を扱う企業が名を連ねたことも、「不安定な時代」の空気を映している。
オリコンニュースが伝えるところでは、トップテンには「戦後80年/昭和100年」といった歴史を振り返る言葉も含まれる。 戦後から100年という節目を前に、これまでの日本社会が築いてきた「働き方」や「生活水準」をどう評価し、どこを改めるのかという、長い時間軸での問いも横たわる。高市首相のフレーズは、その節目の年に登場した「女性首相」の象徴でもあり、過去の首相たちのキャッチフレーズと並べて語られる存在になった。
言葉の勢いを、どこまで現実に変えられるか
一方で、言葉が独り歩きする危うさもある。選考委員の室井滋氏は、マイナビニュースの取材に対し、華やかなフレーズよりも生活の余裕のなさが浮き彫りになった年だと指摘している。 「働いて働いて…」という決意が、長時間労働の容認ではなく、政治家自身が率先して負担を引き受ける宣言なのか、それとも社会全体への「もっと頑張れ」というメッセージなのかで、受け止め方は大きく変わる。
労働法制の見直しや人手不足への対応、賃上げの行方など、働き方をめぐる課題は山積している。高市政権が、象徴的なフレーズにとどまらず、時間外労働の上限規制や育児・介護との両立支援といった制度をどう具体化していくかは、今後数年を左右するテーマだ。生活者の側もまた、「働き方を選ぶ権利」をどこまで主張し、どのような負担なら分かち合えるのかを考えざるを得ない。
今年の新語・流行語大賞は、単なる流行り言葉ではなく、「誰が、どこまで働き続けるのか」という根底の問いを突きつけたと言える。女性首相の言葉が映し出した緊張と期待を、現場の実感に近いかたちで政策へと落とし込めるかどうかが、来年以降の日本社会を静かに左右していくだろう。
