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パレスチナ自治区ガザ地区で、冬の嵐「バイロン」がもたらした豪雨と冷え込みが、戦闘で荒廃した街をさらに追い詰めている。仮設テントや仮設住宅が冠水し、ガザ当局は2025年12月15日、生後2週間の乳児が重度の低体温症で死亡したと発表した。16日にはガザ市で、空爆で傷んでいた建物の屋根が雨で崩れ、少なくとも1人が亡くなったという。
水が入り、体温が奪われる避難生活
雨水が染み込んだテントは、床にたまった泥水と一緒に暮らす空間になる。寝具が濡れれば眠れず、衣類が乾かなければ次の夜に備える余裕も消える。停戦が続く間も、住まいを失った人びとの多くは簡易な布とビニールの「仮の家」に頼らざるを得ない。保健当局が伝えた乳児の死亡は、爆撃ではなく寒さが命を奪う局面に移っていることを示す。
低体温症は、ひとことで言うと体の熱が保てなくなる状態だ。特に乳児は自力で体温を上げにくく、濡れた衣服や冷たい地面が直に効く。UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、嵐の影響で「凍え死ぬ」危険があるとの認識を示し、避難用資材の搬入を急ぐよう訴えた。寒さに加え、排水や衛生の弱さが感染症リスクを押し上げるとの懸念も重なる。
崩落の連鎖と、「修理できない」現実
雨が怖いのはテントだけではない。ガザの民間防衛機関は2025年12月16日、ガザ市で屋根が崩れて死者が出たと発表した。建物は空爆で損傷していたとされ、降雨が最後の引き金になった形だ。Reutersも、戦闘で傷んだ建物が豪雨でさらに崩れる危険を当局が警告していると伝えている。避難先がない人びとほど、危険を承知で「残った壁」に身を寄せる。
問題は、被害を減らすための当たり前の手当てが進みにくい点にある。国連OCHAは、雨で損傷建物の一部が崩れたことや、複数の避難地点で浸水が広がったことを報告している。民間防衛はテントより移動式住宅の提供を求めるが、復旧資材や重機、排水に必要な機材が十分に入らなければ、冬のたびに同じ危機が繰り返される。停戦後のガザに残った課題は、戦闘の後始末ではなく「寒さと水への備え」を誰が実装するのか、という問いに変わりつつある。
参考・出典
- Gaza Humanitarian Response | Situation Report No. 45 | United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs – Occupied Palestinian Territory
- UNRWA Commissioner-General on Gaza: No respite for the children in Gaza as the bitter cold and floods brought by Storm Byron turn deadly – Question of Palestine
- Gazans struggle to retrieve bodies as storms lash war-damaged buildings (Reuters, 2025-12-15)
- Torrential rain flooded Gaza tents and a baby died of exposure, medics say (Reuters, 2025-12-11)
- Palestinians left cold and soaked by winter storm hitting Gaza | AP News
