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通知音の鳴るスマホをのぞくと、Gmailの設定画面を撮ったスクリーンショットが次々と流れてくる。「メールがAIに読まれているかもしれない」。そんな不安をあおる投稿や記事が11月下旬、技術系コミュニティから一般の利用者まで一気に広がった。
「メールがAIに読まれる」報道の出どころ
きっかけになったのは、登録者の多いエンジニア系YouTubeチャンネルEEVblogがGmailの新しい設定を取り上げた動画だ。配信者は、メールと添付ファイルがAIモデルの学習に使われる設定が自動で有効になり、止めるには2か所の項目を自分でオフにする必要があると指摘した。
2025年11月20日には、セキュリティ企業Malwarebytesが同趣旨のブログを公開し、「オプトアウトしなければGmailがあなたのメールをAI訓練に使う」と警告した。ZDNETやAppleInsiderなども、GmailがGeminiなどのAIのためにメッセージを読み取り始めたと報じ、RedditやHacker Newsで議論が一気に熱を帯びた。
Googleの反論とスマート機能の仕組み
こうした報道に対し、Googleは22日に米メディアThe Vergeへコメントを出した。広報担当のジェニー・トムソン氏は、これらの記事は誤解を生むものであり、利用者の設定を勝手に変えた事実はないと説明するうえで、「Gmailの内容をGeminiの学習データとして用いてはいない」とはっきり述べた。
同氏は、スペルチェックや配達状況の表示、フライト予定の自動追加といったスマート機能は長年提供されており、ユーザーごとの便利機能を出すためにメール内容を解析しているとしつつ、それはサービス内のパーソナライズであり、大規模AIモデルの学習とは別物だと説明する。The Vergeは、記者の1人が以前オフにした一部のスマート機能が後にオンに戻っていたと証言していることを紹介し、2025年1月にパーソナライズ設定が刷新され、Workspaceと他サービスのスマート機能を個別に管理できるようになったことで混乱が生じた可能性を指摘している。
設定を見直すときに知っておきたいこと
それでも心配な人は、自分のアカウントでどこまで情報を使わせるかを決め直すことができる。Gmailの画面右上の歯車マークから「すべての設定を表示」を開き、「全般」タブにあるスマート機能を無効にすると、受信メールを使った提案や自動整理の多くを止められる。
Google Workspaceを使っている場合は、同じ画面に用意されたWorkspaceのスマート機能の項目も確認したい。ここはGmailやカレンダーなどの機能と、マップやウォレットといった他サービス向けの機能が分かれており、両方をオフにしないと関連する処理は残る仕組みだ。
今回の騒動の背景には、1月の設定刷新や表記の変化が複雑に絡み合っているとみられる。どの機能がどの用途でメールを参照するのか――その線引きを自分の目で確かめておくことが、不安を払う近道になりそうだ。
