ギニアビサウ・ビサウで軍幹部が権力掌握、国営放送で声明

大統領選から数日で軍が権力掌握 ギニアビサウでクーデター宣言

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国営テレビの画面の前で、迷彩服の将校が静かに声明を読み上げた。西アフリカの小国ギニアビサウで、軍幹部が自らの権力掌握を告げたのは、11月23日の大統領選からまだ数日しかたっていない26日だった。首都ビサウではその少し前、選挙管理委員会や大統領府の周辺で銃声が響いたと伝えられ、市民は不安の中でその放送を見つめることになった。

軍幹部が「秩序回復」を名目に権力を掌握

11月26日、軍の将校らは国営テレビを通じて、大統領を解任し国家の実権を握ったと宣言した。彼らは自らを「秩序回復のための高等軍司令部」と名乗り、当面の統治を担うと表明したうえで、23日に行われた大統領選と議会選の手続きを停止し、国境の封鎖と夜間の外出を禁じる夜間外出禁止令の発令も明らかにした。選挙結果の発表は本来27日に予定されていた。

軍側は声明の中で、一部の国内政治家と国内外の麻薬組織が協力し、選挙結果を操作して国を不安定にしようとしていると非難した。大統領選では、現職ウマロ・シソコ・エンバロ氏と主要な対立候補フェルナンド・ディアス氏の双方が、正式集計前にもかかわらず勝利を主張しており、開票をめぐる緊張が高まっていた。発表前に首都で銃声が続いたことも、混乱の度合いを象徴している。

クーデター発表の直後、エンバロ氏は仏メディアの電話取材に応じ「職を追われた」と語り、自身が軍総司令部にいると明かしたとされる。後に周辺国からの報道では、彼が拘束下に置かれているとの情報も伝えられた。また、主要野党PAIGCの指導者ドミンゴス・シモエス・ペレイラ氏も逮捕されたと報じられており、政権側と反対勢力の双方が軍の手中にある構図が浮かぶ。

度重なるクーデターと「麻薬中継地」の素顔

ギニアビサウでは、旧宗主国ポルトガルから独立した1974年以降、少なくとも9回のクーデターや未遂が起きてきたとされる。現職のエンバロ氏自身も、就任後に複数回のクーデター未遂を訴えており、2023年には銃撃戦を「政変の試み」と位置づけて議会を解散した経緯がある。こうした政治の不安定さは、今回の軍による権力掌握が突発的な出来事ではなく、長年続く連鎖の一部であることを示している。

同国はセネガルとギニアの間に位置する沿岸国で、多くの河口や島々を持つ地形から、欧州向けコカインの中継地となってきた。国連は2008年にギニアビサウを「ナルコ国家」と呼び、麻薬資金が国家機構を侵食していると警告した。平均所得が低く、制度も脆弱ななかで、違法な資金や保護をめぐる利害が軍や政治家を巻き込みやすい構造があると専門家は指摘している。

今年10月には、軍幹部らがクーデター計画に関与した疑いで逮捕されたと軍が発表していた。これは総選挙の選挙運動が始まる直前の出来事であり、政権と軍内部の不信が表面化していたことをうかがわせる。相次ぐ未遂と今回の成功したクーデターを並べてみると、文民統治を支えるはずの軍が、政治対立の行方を左右する常連の登場人物になってしまっている姿が見えてくる。

封鎖された国境の内側で揺れる暮らし

軍は陸海空すべての国境を閉じ、夜間外出禁止令を出したと明らかにした。物流の多くを輸入に頼る小国にとって、国境封鎖は燃料や食料の供給にも直結しうる。クーデター後にはインターネットを遮断しようとする動きも伝えられ、情報が限られるなかで、市民は外出を控え、自宅や近所の店先でラジオやテレビに耳を澄ませているとみられる。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS、西アフリカの地域機構)やアフリカ連合、国連は相次いで懸念を表明し、拘束された政治指導者の即時解放と憲法秩序の回復を求めた。近年、周辺では軍事政変が相次ぎ、選挙による政権交代の信頼性が揺らいでいる。ビサウの街角で静まり返った市場や港を見つめる人びとの視線の先には、次の選挙ではなく、明日の暮らしが置かれているようにも映る。

参考・出典

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