米ヘリテージ財団で職員10人超離脱　思想的距離巡り内部混乱

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2025.12.23

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米保守系シンクタンクのヘリテージ財団で、2025年12月22日までの数日間に職員が「10人超」辞職し、または解雇された。財団は、反ユダヤ主義と批判される人物との距離感をめぐり元支持者から非難を受けており、幹部は声明で「混乱」と「不誠実」を選んだ職員がいると反発した。

「議論は歓迎、だが忠誠は譲れない」という線引き

財団のアンディ・オリバストロ最高アドバンスメント責任者は12月22日の声明で、去った職員の一部について、組織を乱し忠誠を欠いたと位置づけた。外部からは、財団トップが擁護した言論人や周辺人物への評価が火種となり、反ユダヤ主義との同調だという批判が強まっていたとされる。

シンクタンクは政策提言だけでなく、寄付者や同盟組織との信頼で回る。論点が「政策の是非」から「誰と同じ場に立つのか」へ移ると、内部の異論は協議よりも離脱として噴き出しやすい。今回の声明が強調した「使命の一致」は、結束を示す一方で、どこまでを許容するのかという基準を逆に読まれるリスクも残す。

流出した人材の受け皿と、保守陣営の再編

離職者の一部は、マイク・ペンス元副大統領が関わる保守系団体「Advancing American Freedom」へ移る動きが報じられている。同団体は12月22日付の発表で、ヘリテージ財団の法務や経済、データ部門の幹部らを迎えるとし、体制拡大に向けた資金を確保していると説明した。

この移籍は「職場のトラブル」以上に、保守運動の主導権争いの色を帯びる。対イスラエル支援や過激派との距離といった価値観の問題が、組織の看板や資金の流れ、人材の配置転換として可視化されてきたからだ。ヘリテージ財団は影響力の大きさゆえに、結束を優先するほど「どの保守を代表するのか」という問いから逃れにくくなっている。

「議論は歓迎、だが忠誠は譲れない」という線引き

流出した人材の受け皿と、保守陣営の再編

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