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止まったのは艦のスクリューではなく、積み上げてきた段取りだ。海上自衛隊と韓国海軍が計画していた11月の共同捜索救助訓練の実施を、見送る方向で調整していることが17日に明らかになった。竹島周辺での韓国空軍機の飛行訓練が判明し、日本側が予定していた給油支援を中止したことが火種となった。相次ぐ予定変更は、再接近してきた防衛交流の足取りを鈍らせている。
海自と韓国海軍、共同捜索救助訓練を見送りへ
海上自衛隊と韓国海軍は、11月に予定していた共同捜索救助訓練の開催について、見送りの方向で調整に入った。2025年11月17日に日韓双方の政府筋が明らかにした。捜索救助訓練(SAR)は、遭難者の捜索や救助手順を国境を越えて確認する実務的な協力で、政治的立場の違いがあっても継続されやすい分野とされてきた。
見送りの背景には、韓国空軍機が竹島周辺で飛行訓練を行っていたことがある。これを受け、日本側は航空自衛隊基地で予定していた韓国空軍機への給油支援を取りやめた。給油中止は11月上旬の実施計画に関わるもので、関係者によれば10月末に受け入れ中止が伝えられたとされる。こうした経緯が、今回の訓練予定にも波及した格好だ。
本来は人命救助の即応性を高めるための訓練であり、現場の連携を磨く機会でもある。だが、象徴性の高い事案が先行すると、実務協力も影響を受けやすい。両政府は関係の安定を重視し、事態の沈静化を図る姿勢だ。訓練の新たな日程や実施規模は、今後の協議で改めて詰められる見通しである。
日韓交流の再拡大に足踏み
今回の給油支援は、将来の協力拡大を見据えた試みでもあった。両国は物品役務を融通し合うACSA(物品役務相互提供協定)を結んでおらず、燃料支援は関係深化の試金石と受け止められていた。中止により、実務協力の幅を広げるための小さなステップが一旦立ち止まった形となり、交流再拡大の道筋は慎重さを増している。
それでも、災害対応や救難といった分野は、互いの安全を底支えする共通利益に根ざす。今回の見送りは、関係全体の後退を直ちに意味するものではない。両政府は良好な関係の維持を最優先としつつ、行き過ぎた緊張を避けるための調整を重ねている。足並みが揃い直すまで、実務の接点を途切れさせない工夫が問われる。