政府の第7次エネルギー基本計画、洋上風力・大型太陽光で住民反発

太陽光と風力がゆらす地域の日常 揺れる政府の「第7次エネルギー基本計画」

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「ここにパネルが並ぶと、景色はどう変わるのか」。説明会の会場で住民の声が飛ぶ。国が第7次エネルギー基本計画で再生可能エネルギーを主力電源と位置付けた一方で、現場では大型太陽光や洋上風力を巡る戸惑いと反発が渦を巻く。脱炭素への道筋をどう描き直すのか、制度と現場の両面から探った。期待と不安が交錯する転換点に、日本のエネルギー政策は立っている。

太陽光と地域、摩擦を減らす手がかり

国立公園周辺の湿原近くで進む大規模太陽光の工事では、野生生物への影響を懸念する声が相次ぎ、関係省庁が連絡会議を立ち上げて対応を協議している。新規着工は数年前から減りつつあるとされるが、景観悪化や土砂崩れを招いた案件が繰り返し報じられ、SNSで拡散されることで、太陽光全体への不信が増幅されている側面もある。違法な事業者は一部に限られるものの、住民説明の不足や自然への配慮の甘さがあれば、適法かどうかにかかわらず軋轢は残る。

こうした行き違いを減らそうと、環境エネルギー政策研究所は25項目からなるチェックリストを作成し、事業者と地元が一緒に計画を点検できる仕組みを示した。建物跡地や駐車場、既に造成された農地を優先し、山林は最後に検討するという発想だ。自然エネルギー財団は、そもそも発電に向く土地と避けるべき土地を地図上で分けるゾーニングの導入を提案する。人員不足のため再エネ促進区域を定めた自治体は約60にとどまり、国が主体となって太陽光を2040年に23-29%まで高める道筋と、屋根や農地など立地の配分を示すべきだとの指摘が強まっている。

「良い発電所」を選ぶ企業という新しい盾

現場で摩擦を抑えようとする動きもある。全国で約500件の太陽光発電所を手がけてきた事業者は、どの地域でも「不安に思う住民は必ずいる」と語る。工事前から個別の懸念を聞き取り、納得が得られるまで計画を修正することを原則とする。着工後も現場近くに担当者を常駐させ、騒音や泥はねなど小さな問題にもすぐ対応する。運転開始後は水路や農道の補修、地域行事への協賛など、日常的な関わりを積み重ねることで、「迷惑施設」ではなく「身近なインフラ」として受け止めてもらおうとする姿勢だ。

電気を買う側の企業も、調達基準を通じて発電所の質を選別し始めた。リコーは2021年、再生可能エネルギーの調達で、コストと同じ重みで発電事業者の信頼性や地域貢献を評価する総合制度を導入した。地元トラブルの有無を小売電気事業者への聞き取りだけでなく、報道やSNSでも確認し、発電所と直接結ぶPPA(電力購入契約)では現地確認を原則とする。災害リスクの高い立地を避ける狙いもある。再エネの調達指針を持つ企業はまだ少ないが、購入先を選ぶこと自体が、優良な事業者を後押しし、問題の多い事業者からは市場を通じて距離を置く仕組みにもなり得る。

洋上風力のつまずきと脱炭素電源オークション

一方、海に目を転じると、洋上風力の旗艦プロジェクトが揺らいだ。三菱商事を中心とする企業連合は、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3海域で約170万kWの洋上風力発電を建設する計画だった。2021年の初回入札で、国の上限を大きく下回る売電価格を提示して落札したが、その後の資材高騰や円安、金利上昇により建設費は想定の2倍規模に膨らみ、2025年8月に撤退を表明した。産業を支える脱炭素電源として洋上風力を重視してきた政府にとって、政策の信頼性を問われる出来事となった。

海外でもコスト高を背景に洋上風力の入札不調が相次ぎ、米国は条件を改めて再入札し、欧州は上限価格を引き上げる対応を取った。日本では、再エネを2040年に電源の4-5割とし、その中で太陽光と並ぶ柱として風力を拡大する方針を掲げつつ、入札価格の水準が国際的に見て低めだと指摘されている。第7次エネルギー基本計画には、長期脱炭素電源オークションの見直し方針が盛り込まれ、上限価格の引き上げや、事業期間中の市場変化に応じて収入・費用の変動に対応する措置の検討が進む。原発や火力の新技術だけでなく、洋上風力など再エネ大規模電源もこの枠組みで長期的に支えるのかどうかが、再チャレンジの成否を左右しそうだ。

制度を整えるだけでは足りず、土地をどう使うか、誰から電気を買うかという日々の選択が積み重なって、静かに日本の電源地図を書き替えていく。

参考・出典

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