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日本がベトナム中南部で計画されている原子力発電所「ニントゥアン2」への関与を取りやめる。伊藤直樹駐ベトナム大使は12月8日、ロイターの取材に対し、ベトナム側が提示した建設スケジュールには応じられず、日本側は計画を実施する立場にないと述べた。電力不足を避ける長期戦略の柱として期待された計画は、再び不透明さを増している。
電力需要急増の現場に広がる懸念
ベトナムではここ数年、輸出向け製造業の拡大と中間層の増加で電力需要が急伸し、2023年には熱波の影響もあって大規模な停電が発生した。政府は再生可能エネルギーやガス火力の開発が遅れるリスクを補うため、中南部ニントゥアン省に建設する1号・2号の原発を、2030年代前半に稼働させる国家電源開発計画に組み込んできた。
そのうち日本側が担う想定だったニントゥアン2は、出力2〜3.2ギガワット級の大規模電源として計画され、工業団地や都市部への安定供給を支える役割を期待されていた。日本が撤退することで、ベトナムは新たな建設パートナーを探しつつ設計や資金計画を練り直す必要があり、ただでさえ逼迫する電源開発のスケジュール管理はいっそう難しくなりかねない。
再始動した原子力計画と日本の次の一手
ベトナムの原子力発電構想は、2010年代前半にロシアと日本を建設パートナーとして進められたものの、福島第一原発事故を受けた安全性への懸念や財政負担の大きさから、2016年にいったん中止された。その後、国会は2024年にニントゥアン計画の継続を決議し、政府も2025年の電源計画改定で、2030〜35年に出力計4000〜6400メガワットの原発を運転開始する方針を示している。
今年2月には政府がロシア、日本、韓国、フランス、米国などとの協議開始を公表し、技術力やコストを比較しながらパートナー選定を進めてきた。日本は今回、スケジュールの厳しさを理由に大型案件から身を引く一方で、小型モジュール炉といった次世代技術での協力には含みを残しているとされる。ベトナムが電力不足解消と脱炭素の両立を急ぐなか、どの国の原子力技術を選択するかは、地域のエネルギー地図を左右する試金石となりそうだ。
参考・出典
- Japan pulls out of Vietnam nuclear project, complicating Hanoi's power plans
- Japan pulls out of Vietnam nuclear project, complicating Hanoi's power plans
- Vietnam to talk soon with foreign partners on nuclear power plants
- Prime Minister approves Adjustment of Power Planning VIII
- Vietnam approves revised energy plan to 2030 that integrates nuclear energy
