関西3空港運営会社 上半期旅客数が過去最高 中国自粛で先行き懸念

関西3空港の旅客数が半期で過去最高 円安と万博でインバウンド急回復

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関西・伊丹・神戸の3空港を運営する関西エアポートが、2025年度上半期(4〜9月)の総旅客数が約2750万人と、半期として過去最高になったと明らかにした。関西国際空港の外国人利用も1100万人規模まで戻り、万博と円安を追い風にターミナルは連日混雑している。一方で、11月には中国政府が日本旅行の自粛を国民に呼びかけ、12月以降の中国路線では減便やキャンセルが広がる兆しも出てきた。インバウンド頼みの空港は地政学リスクにどこまで耐えられるのかが問われている。

満席のターミナルと「欠航」表示が同居する現場

週末の関西国際空港の出発ロビーでは、多言語のアナウンスが絶えない。関西エアポートによると、関西・伊丹・神戸の3空港を合わせた今年4〜9月の旅客数は約2750万人と、上半期として過去最高を記録した。団体客だけでなく個人旅行の家族連れや出張客も戻り、チェックインカウンター前には長い列ができるなど、空港はコロナ禍前を思わせるにぎわいを取り戻しつつある。

その追い風の一つが、4月に開幕した大阪・関西万博だ。会場に近い伊丹空港では国内線の利用者が前年より大きく増え、朝夕の便ではビジネス客と万博目当ての観光客が同じ便に乗り合わせる光景が見られる。新幹線や在来線からの乗り継ぎ時間を短縮できる利便性もあり、短い滞在でも複数都市を巡りたい訪日客にとって、空港は移動拠点としての重要性を増している。

しかし、出発案内板には「搭乗中」の表示に混じって「欠航」の文字も並ぶ。11月半ばに中国文化・観光部が安全上の理由から日本旅行を控えるよう国民に呼びかけて以降、中国と日本を結ぶ一部路線では12月末まで全便が止まるケースが出ている。中国発の団体ツアーを扱う旅行会社ではキャンセル連絡への対応に追われ、関西の空港でも、にぎわいの陰で急な需要減への不安がじわりと広がる。

好調決算の裏で高まる「一国依存」のリスク

関西エアポートの業績だけを見れば、状況は明るい。2024年度の3空港合計の旅客数は約5080万人と初めて5000万人を突破し、営業収益や最終利益も過去最高を更新した。関西空港の第1ターミナルでは新しい商業エリアが全面開業し、免税店や飲食店の売り上げも伸びている。航空収入だけでなく、店舗収入など非航空部門が好調なことが、経営全体の底上げにつながっている。

成長を牽引してきたのは、やはりインバウンド需要だ。関西空港の国際線では外国人旅客が1100万人規模まで増え、中国本土や香港、韓国などアジア各地からの路線が客足を押し上げてきた。円安で日本の物価が割安に映ることもあり、ブランド品の購入だけでなく、地方空港への乗り継ぎを組み込んだ長期滞在型の旅程を選ぶ旅行者も目立つようになっている。

ただ、この成長は特定の国への依存と紙一重でもある。中国政府による日本への渡航自粛要請の後、訪日ラボなどの報道では中国発の航空券が50万件超キャンセルされ、一部では12路線で全便が欠航になったと伝えられた。アジア路線に比重を置いてきた関西の空港網にとって、政治的な緊張が高まるだけで、短期間に需要が細るリスクが改めて浮き彫りになった格好だ。

中国一極から多極へ、関西観光の試金石に

もっとも、中国からの旅客減がそのままインバウンド全体の失速を意味するわけではない。欧米や東南アジアからの訪日客は増加傾向が続き、大阪・関西万博も会期中に約2800万人の来場を見込んでいる。空港会社や観光事業者は、会場へのアクセスの良さを前面に出しつつ、万博をきっかけにした長期滞在や地方周遊の需要を育てようとしており、中国依存からの脱却は既に意識されてきたテーマだ。

一方で、受け入れ側の体制整備という課題も横たわる。関西圏では宿泊・交通分野の人手不足が続き、ピーク期には空港周辺や鉄道の混雑が顕在化する。2030年ごろに計画される統合型リゾート(IR)の開業が実現すれば、国際線やクルーズ船の需要はさらに増すとみられ、平時から多様な地域・属性の旅行者を分散して受け入れる仕組みづくりが不可欠になる。

記録的な旅客数と渡航自粛のニュースが同時に走る今回の局面は、関西の空港にとって試金石である。中国発需要に偏った構図を改め、国内客や欧米・東南アジアなど他地域からの訪日客をどこまで厚くできるか。外部要因に左右されにくい需要の土台を築けるかどうかが、万博後も続く関西の空のにぎわいを左右しそうだ。

参考・出典

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