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割られた窓の桟に懐中電灯の光が走り、捜査員が破片を一つずつ拾い上げた。2025年11月14日 3:40ごろ、春日部市米島の一戸建てで、何者かが1階の窓ガラスを割って侵入し、現金などを盗んで逃走したとの情報が埼玉県警に寄せられた。同日、周辺でも複数の被害が発生したとみられ、警戒が強まっている。
静かな住宅地で続く被害
現場は国道16号の南側、東武線南桜井駅にほど近い住宅地である。報告では、近い範囲で5軒以上の被害が相次いだ可能性があるという。いずれも夜明け前の時間帯で、1階の窓を破って侵入された点が重なる。犯人の特徴は明らかになっておらず、逃走中である。県警は付近の聞き込みやカメラ映像の解析を進め、連続性の有無を慎重に見極めている。
一帯は幹線道路に近い一方で、生活道路が入り組み、早朝は人通りが少ない。こうした環境は、短時間での出入りを試みる侵入者にとって都合がよい局面を生みやすい。実際、同様の手口は各地で繰り返し確認されており、施錠と照明、周囲の目を増やす仕組みが効果的とされる。今回も、手口の共通性と被害の集中が焦点になる。
狙われた窓、守るための要点
住宅侵入の典型は、クレセント錠（引き違い窓の留め金）付近のガラスを破り、内側から開ける手口である。これに対しては、補助錠（追加の鍵）を併用して開放点を増やさないこと、防犯フィルムでガラスの破壊を遅らせることが基本になる。外から見えにくい位置の窓ほど対策の優先度が高い。家の周囲の死角には、近づく動きを拾うセンサーライトが有効である。
2階でもベランダや屋根の形状次第で狙われる。脚立や物置、室外機など、よじ登る足場になり得る物はできる限り移動し、固定できない場合はチェーン等で扱いを限定する。出入り口は在宅時でも施錠を徹底し、長めの外出では雨戸や面格子の活用を検討したい。合鍵の屋外保管は避け、郵便受けや宅配ボックスの施錠も見直すとよい。
いま共有したい行動
県警は、短時間の外出でも玄関や窓の施錠を確実にし、補助錠や防犯フィルム、センサーライトの設置を呼びかけている。2階へ上がる足場となる物を置かない配慮も求めている。不審者や不審車両を見かけた際は、ためらわず110番通報する。地域の掲示板や連絡網で注意喚起を共有し、ドアベルカメラや録画機の記録は早めに確認・保存するのが望ましい。
近隣でも類似の侵入窃盗は周期的に見られ、手口の反復が特徴になることがある。今回の一連についても、詳細の確認が進むにつれ、動線や犯行時間帯の共通点が浮かぶ可能性がある。戸建ての生活リズムに踏み込む犯罪であるだけに、住民同士の情報交換や、小さな異変をすぐ共有する仕組みが抑止力を底上げする。夜明け前の静けさに、互いの気配を少しだけ足しておきたい。
