ロシア軍攻撃で停電長期化、キーウ近郊で暖房停止続く

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2025.12.30

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ロシア軍のミサイル・無人機攻撃で、首都キーウ近郊では停電と暖房停止が長引いている。キーウの北約20キロの衛星都市ビーシュホロドでは、住民のオレナ・パジダイエワさんが自宅で3日連続の停電に直面し、子どもを連れて「レジリエンス拠点」と呼ばれる避難・作業スペースに通う。冬の電力網防衛と、生活の持ちこたえ方が同時に問われている。

暖房のない数日、家族の行動が「拠点通い」に変わる

ビーシュホロドでは、暖房が止まった住戸が相次ぎ、親子が日中の居場所を変えざるを得ない状況が続く。Reutersによると、住民の一人は小屋ほどの広さの拠点で暖を取りながら端末を充電し、仕事に必要な通信環境を確保している。屋内にはおよそ20人が集まり、ノートパソコンや携帯電話の充電待ちが日常の光景になっている。

電気がないと、子どもの預け先や学童も平常運転ではいかない。暖房が止まった施設は室内でも上着が手放せず、保護者側が代替の場所を探す負担が増える。自宅では、携帯用の電源装置で給湯器を一時的につなぐなど、生活の手順そのものを組み替える対応が広がっている。

復旧は進む一方、緊急停止と計画停電が交錯する

インフラ側も綱渡りの運用が続く。Reutersは、今回の大規模攻撃でキーウ州だけでも約1万9000の需要家が停電したと、ウクライナのエネルギー省の情報を伝えた。電力会社DTEKは2025年12月28日、キーウ市内と周辺で計100万世帯超への送電を回復したと説明したが、地域によっては緊急停止が残り、通常の計画停電に戻る地域と混在している。

論点は「復旧の速さ」だけではない。拠点は暖と通信を提供するが、混雑すれば作業や休息の質は落ちる。電力網の防護・補修を急ぐほど、停電の線引きや優先順位の判断も増える。停戦協議の動きが伝えられても、日々の停電対応に追われる住民にとっては、現場の手間が先に積み上がるという現実が残る。