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米IT大手Metaは米時間12月5日、対話型AI「Meta AI」でのニュース機能を拡充し、米CNNやFox News、仏Le Mondeなど複数の報道機関とコンテンツ利用の契約を結んだと明らかにした。AIの回答に記事を組み込み、元のサイトへのリンクも示す仕組みで、ニュースを「チャットで受け取る」スタイルが一段と広がりそうだ。
利用者にとって何が変わるのか
Meta AIに時事問題を尋ねると、今後は提携先メディアの記事を参照した要約とともに、元記事へのリンクが提示される。対象は世界のニュースだけでなく、エンタメやライフスタイルも含み、FacebookやInstagram、WhatsAppなどMetaの各サービスから同じ仕組みにアクセスできると説明されている。
複数の国・立場の異なる媒体が名を連ねることで、単一の情報源に偏らない回答が期待される一方、どのメディアのどの記事が選ばれたのかはAIとアルゴリズム次第だ。生成AIにニュースを任せるとき、情報の質と多様性、そしてその対価を誰がどう担保するのかという問いが、利用者側にも突きつけられている。
AIの画面内で要点を把握できる利便性は高いが、細かなニュアンスや論点の対立まで十分に伝わるとは限らない。大手メディア中心の提携となることで、地域の小規模メディアの声が相対的に埋もれるおそれを指摘する専門家もいる。ニュースの入口がタイムラインからチャット画面へ移ることで、私たちがどの情報に出会うかの設計権限は、さらにプラットフォーム側へ移っていく。
ニュースとAI、再接近するプラットフォームと報道
Metaは近年、Facebookの「ニュースタブ」終了や、報道機関への支払い打ち切りなど、ニュースから距離を置く方針を鮮明にしていた。今回の提携はその流れを一部反転させるもので、契約は商業的なライセンス形態とされるが、金額や期間の詳細は公表されていない。AIの回答用データとして記事を利用する点が、新しい収益モデルの実験場になりつつある。
一方で、仏Le Mondeグループなどは、同種の契約について、AIの学習に使われる段階と生成結果に現れる段階の双方で権利と収入を確保する枠組みだと説明している。著作権や「隣接権」を明確にし、編集権の独立性を守ることが目的とされ、無断利用を巡る訴訟が相次ぐなかで、AI企業と報道機関が折り合いを探る動きの一つといえる。
もっとも、大手数社との包括契約が進めば進むほど、特定プラットフォームへの依存や、契約更新時の交渉力の偏りといった新たなリスクも浮かび上がる。日本を含む各国メディアが同様の枠組みにどう向き合うか、そしてAIによる利便性向上で生まれた価値が取材現場へ十分に還流するのかは、今後も注視が必要だ。生成AI時代のニュース契約は、読者の利便性とジャーナリズムの持続性をどう両立させるかを探る試行段階にある。
参考・出典
- Bringing More Real-Time News and Content to Meta AI
- Meta strikes multiple AI deals with news publishers
- Meta partners with news outlets to expand AI content
- Meta signs commercial AI data agreements with publishers to offer real-time news on Meta AI
- AI: Meta signs partnership agreement with several international media outlets, including Le Monde
