経済産業省 国家戦略技術投資で、法人税最大40%控除構想

国家戦略技術に最大40%控除 経産省が研究開発減税の大胆拡充案

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資料のスライドが切り替わるたび、担当者の声に少しずつ熱がこもった。経済産業省がまとめた税制改正要望書には、企業の研究開発投資を一気に押し上げかねない数字が並ぶ。政府が「国家戦略技術」と呼ぶ分野への投資について、最大40%まで法人税を差し引く構想が明らかになっている。

国家戦略技術に最大40%控除 企業投資をどう変えるか

この案は、2026年度の税制改正に向けて経済産業省が求めている研究開発税制の拡充の柱だ。対象となるのは、AI・先端ロボット、半導体・通信、宇宙、量子、核融合、バイオ・ヘルスケアという6分野である。いずれも先端技術と安全保障が重なる領域で、各国が巨額の公的資金を投じて主導権争いを続けている。

現在の研究開発税制では、企業は試験研究費の1~14%を法人税額から差し引ける一般型に加え、大学などとの共同研究なら最大40%の控除が受けられるオープンイノベーション型を利用できる。それでも、韓国が半導体や電池投資に40%の税額控除を導入するなど、海外の手厚い支援と比べれば見劣りする面があった。新たな拡充案は、国家戦略技術への投資に限って最大40%、事前に認定した大学や研究機関との共同研究なら50%まで引き上げることで、この差を埋めようとしている。

地方の研究現場と人材に広がる期待

税制の議論は、東京の霞が関だけで完結する話ではない。企業の研究所は工場に隣接して地方に置かれることも多く、修士や博士といった高度人材の雇用や最先端設備への投資を通じて地域経済を支えている。経団連は、日本の論文数や被引用数が世界で順位を下げる現状に強い危機感を示し、研究開発税制の維持・強化を繰り返し求めてきた。国家戦略技術向けのインセンティブが拡充されれば、その矛先はこうした研究拠点にも向かう可能性が高い。

控除率が40%や50%まで高まれば、収益化まで時間がかかる量子技術や核融合といったテーマにも、企業が踏み込みやすくなる。地方大学の研究室や、その周辺で生まれるスタートアップにとっても、大企業との共同研究が進めば資金面の追い風となるだろう。一方で、現行制度は手続きの煩雑さから使いにくいとの声も根強い。申請の簡素化や、人材への投資も含めて支援対象を広げることができるかどうかが、現場にとっての使い勝手を左右しそうだ。

財源と公平性を巡るせめぎ合い

もっとも、減税を広げるほど財源の議論は避けられない。研究開発税制による減収は、2023年度だけで約9500億円に達したとされる。研究開発税制を含む租税特別措置は、本来の税率からの「例外」として積み上がってきた経緯があり、ガソリン税の暫定税率を見直す際の代替財源とするため、全体として縮小すべきだという意見も強い。成長戦略と財政健全化をどう両立させるかが、与党内の調整の最大の焦点になる。

海外を見ると、米国は2024年にAIや半導体、宇宙を重点技術と位置づけて支援を強化し、ドイツも2025年に量子やAI、エネルギーを基幹技術として重点投資する方針を打ち出した。日本が十分なインセンティブを用意できなければ、将来の成長の源泉となる投資が海外に流れる懸念もある。一方で、恩恵を強く受けるのは大企業や特定分野に偏るのではないかという公平性の問題もつきまとう。新たな税制が、誰の負担でどのような未来を支えるのか、その輪郭がこれから少しずつ浮かび上がっていく。

参考・出典

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