米ニューヨーク州でインフル急増、単週最多7万1123件

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2025.12.30

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米ニューヨーク州でインフルエンザの流行が一気に強まり、州保健局の集計では、2025年12月20日までの1週間の陽性報告が7万1123件に達した。2004年に届け出対象となって以降、単週として最多だという。増勢は同州に限らず、米疾病対策センター（CDC）も「全米で活動が上向いている」として警戒を促している。

ニューヨーク州で「単週最多」医療現場の混雑が先に来る

ニューヨーク州の数字は、季節性インフルエンザが例年ピークを迎えやすい1月を前に、医療側の負荷が先に高まる形だ。州内では検査陽性の報告が前週比で大幅に増え、入院の増加も伝えられている。発熱外来や救急外来では、短期間に患者が集中すると待ち時間が伸びやすい。

「患者数が増えた」と言っても、全員が重症化するわけではない。一方で、家庭内や職場、学校での二次感染が続くと、結果として医療機関への受診が波のように重なりやすい。年末年始の帰省や会食の後は、咳や発熱が出たら無理に出勤・登校せず、周囲にうつさない行動がまず効いてくる。

「K（サブクレード）」は何かワクチンの効き方をどう見る

当局が注視する背景には、ウイルス側の変化がある。CDCの週報によると、2025年9月下旬以降に追加の遺伝子解析をしたA (H3N2)のうち、約89%が「K」と呼ばれるサブクレード（同じ型の中の系統分類）だった。CDCはこのKを、今季ワクチンに採用された株と比べて「抗原的にドリフト（ずれ）」がある可能性があるとしている。

論点は「新しい系統=ただちに毒性が強い」と決めつけることではなく、感染を防ぐ力が下がる局面でも、重症化や入院を減らす効果をどう確保するかにある。CDCは、接種が遅れている人にはワクチンを勧め、重症化リスクが高い人では抗インフルエンザ薬（治療薬）を早めに使う重要性も挙げる。地域の流行が強い時期ほど、受診のタイミングと家庭内の感染対策が現実的な分かれ目になる。