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決算発表が相次いだ2025年10月31日、自動車サプライチェーンに再び緊張が走った。オランダ本社の中国系半導体メーカー、ネクスペリアの出荷停止問題を巡り、国内部品各社は「当面の直接影響は限定的」としつつ、代替品調達や在庫活用、設計切り替えの準備まで視野に危機対応を進めている。
経緯と現状
オランダ政府は9月30日、ネクスペリアに重大なガバナンス欠陥が確認されたとして1952年制定の「物品供給法」を適用し、10月12日に発表した。措置は最長1年を上限に経営判断を監督・差し止め可能にする一方、通常の生産は継続できると明記され、欧州の重要技術と供給の確保を狙う異例の対応となった。
これに対し中国側では10月4日、商務省が中国国内で製造されたネクスペリア製の特定完成品やサブアセンブリの輸出を禁じる通知を出し、供給網への圧力が強まった。同社は当局との協議を続け、輸出規制の例外適用を求めていると説明。顧客や関係当局との対話を通じ、影響緩和に努める姿勢を示している。
数字で整理すると、発端は2025年9月30日の法適用、政府発表は10月12日、対抗措置とされる中国の輸出規制通知が10月4日である。オランダ側の措置は最長1年間の管理権限付与を前提とし、生産継続可とされている。
日本の対応とリスク
現時点で確認されている範囲では、国内の主要部品メーカーに大規模な納入停止は発生していない。在庫の活用と、同等性能の代替品の特定・切り替え計画を並行して進めるのが基本線である。複数社は、グループ内外での部品融通や調達先の分散を含む対策の選択肢をすでに整え、長期化リスクに備えている。
ネクスペリアの中心製品はダイオードやトランジスタなどの汎用ディスクリートであるため、仕様適合と品質認証（PPAP等）の再取得が鍵となる。短期は在庫で凌げても、規制が続けば審査・再評価の負荷が増し、局所的なライン影響が広がる懸念は残る。数値的な影響は現時点で未公表だが、動向の注視が続く。
