NVIDIA、中国企業の需要増でAI半導体H200生産上積み検討

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2025.12.13

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米半導体大手NVIDIAが、中国向けに輸出が認められたAI用半導体「H200」について、生産の上積みを検討しているとReutersが2025年12月12日に報じた。背景には、中国企業側の引き合いが現行の供給量を上回るとの見立てがある。

中国側は「買える」のか、買うのか

Reutersによると、米国のドナルド・トランプ大統領が2025年12月8日にH200の対中輸出容認を表明した後、中国のAlibabaやByteDanceなどが購入に向けてNVIDIAに接触し、大口注文を探っている。H200は中国で入手可能なNVIDIA製AIチップの中で最先端級とされ、従来の対中向け「H20」を大幅に上回る性能だという。

ただし「輸出が可能」と「輸入が進む」は同義ではない。Reutersは、中国当局がH200輸入の正式承認に至っておらず、関係者が緊急会合で対応を協議していると伝えた。調達側から見れば、当局手続きや条件次第で納期が読みづらくなる上、国内半導体の活用をどう織り込むかという制度対応も焦点になる。

増産を阻むのは製造枠と政治の逆風

増産の意思があっても、供給の伸びは簡単ではない。Reutersは、H200の生産能力を増やす議論が出る一方で、NVIDIAが次世代製品群にも軸足を置く状況や、先端品の製造能力に制約がある点をにじませた。H200はHBM3eメモリを搭載するデータセンター向けGPUで、仕様上も高集積・高帯域を前提とするため、製造枠の確保がボトルネックになりやすい。

政治面の摩擦も再燃している。Reutersは2025年12月13日、米下院の対中戦略特別委員会を率いるジョン・ムーレナー議員が、ハワード・ラトニック商務長官に対し、H200の対中販売を認めた判断の説明を求めたと報じた。説明要求は米国の安全保障論と直結しており、企業側の供給計画にも不確実性を持ち込む。

そもそも対中の先端半導体を巡っては、BISが2023年10月に規制強化を公表し、抜け道を塞ぐ形で枠組みを更新してきた経緯がある。今回のH200は「例外的に通す」のか、それとも「条件付きで管理する」のか。米側の政治判断と中国側の承認、そして製造枠の奪い合いがそろわない限り、増産の議論は数量の話にとどまらない。

中国側は「買える」のか、買うのか

増産を阻むのは製造枠と政治の逆風

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