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ウクライナ南部オデーサ州で2025年12月22日未明、ロシア軍の夜間攻撃が港湾とエネルギー関連インフラを襲い、主要港ピウデンヌイで火災が発生した。復興担当のオレクシー・クレバ副首相は、停電が12万人超に及んだと説明し、海上物流を乱す狙いだとしてロシアを非難した。
港の火災と停電、物流の「止まり方」が変わる
クレバ氏の説明では、港では小麦粉や植物油を積んだコンテナが燃える火災が起き、現場では消火と被害確認が同時に進んだ。港は船の入出港だけでなく、倉庫、通関、陸上輸送と連動して動く。ひとつの区画の火災でも、周辺を含めて作業手順の組み替えを迫られやすい。
同時にエネルギー施設の被害が重なったことで、物流の停滞は「物が動かない」だけでなく「動かす人員や設備が保てない」形を取り始める。停電は家庭の明かりにとどまらず、通信、給水、暖房にも波及し得る。港の復旧と地域の暮らしの復旧が同じ電力を奪い合う局面が、年末に向けて続く懸念がある。
狙いは黒海の輸送網か、電力側は応急策を積み上げる
クレバ氏は、港湾とエネルギー施設を繰り返し狙うのは「海上物流を混乱させるための組織的な攻撃」だとの見方を示した。オデーサ周辺は輸出の要衝で、港やアクセス道路、送電設備が連鎖的に傷めば、代替ルートへの付け替えにも限界が出る。輸送の遅れは企業の資金繰りや雇用にも、時間差で響いていく。
一方、ウクライナ側は応急策も急ぐ。エネルギー当局は同日、オデーサ州を含む複数州で施設が攻撃を受け、部分的な送電回復と緊急修理を続けていると説明した。停電を短くするため、重要インフラの指定を見直し、家庭向けに回せる電力を捻出する取り組みも進むという。攻撃が常態化する中で、港を守ることと電力の安定をどう同時に達成するかが、地域の耐久力を左右しそうだ。
参考・出典
- Міненерго: Ситуація в енергосистемі України станом на 22 грудня – Київська обласна військова адміністрація
- Ukraine says fire breaks out at Odesa port after overnight Russian strike
- A dark Christmas looms in Odesa Oblast as Russia hammers energy facilities, bridges, ports
- Russians attack energy facilities in five Ukrainian oblasts | Ukrainska Pravda
- Russian shelling near Odesa kills one, hits power supply (Reuters, Dec. 18, 2025)
