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原油先物が12月22日、週明けのアジア時間に上昇した。米沿岸警備隊が週末、ベネズエラ沖の国際水域で石油タンカーを拿捕したと伝えられ、供給量そのものより「海上輸送が途中で止まる」リスクが値段に乗った格好だ。当局が別のタンカーも追跡しているとされ、今週は拿捕が連鎖するのかが焦点になる。
拿捕が増えるほど、原油は「運ぶコスト」で動く
今回の材料は、産油施設の被害ではなく、海の上の執行だ。報道では、米側は12月20日ごろにパナマ船籍のCenturiesを止め、12月10日にはSkipperも押さえた。さらにBella 1とされるタンカーも追跡対象になっており、拿捕に至れば短期間で3隻目になる可能性がある。いずれも制裁回避に使われる「影の船団」や偽装船籍と結び付けられている。
こうした動きが効くのは、原油の値段が「産地」だけでなく「航路」の不確実性でも決まるからだ。船が止まれば積み地での滞留が増え、保険や傭船料も上がりやすい。たとえ日量約100万バレル規模とされるベネズエラ産が直ちに消えなくても、船主や荷主が様子見に入れば、現物の受け渡しは細る。市場は、需給の数字より先に“運びにくさ”を織り込み始めている。
反発するベネズエラと、買い手に突き付けられる選別
ベネズエラ側は、拿捕を「海賊行為」と非難し、国連など国際機関への提起を示唆している。一方で米国は、制裁対象の取引や偽装輸送を遮断する狙いを強めているとみられる。制裁下の原油は、輸送記録を見えにくくするなどの手口が疑われやすく、いったん疑義が生じると荷動きが止まりやすい。結果として影響を受けるのは、産油国だけでなく、仲介・海運・保険まで含む「取引の周辺」だ。
買い手側も判断を迫られる。制裁リスクを避ける企業は調達先を変え、制裁下でも買う側は値引きを求めるため、同じ原油でも“売り先”で価格が割れやすい。米国が認める枠組みでの輸送は続いても、取り締まりが続けば滞留が長引き、生産調整に追い込まれる展開もあり得る。原油高の背景が地政学の緊張から「海上の運用」へ移るのか、市場は次の拿捕の有無を材料にしそうだ。
参考・出典
- Trump says the US has seized an oil tanker off the coast of Venezuela – ABC News
- US seizes second oil tanker off coast of Venezuela in international waters | Euronews
- US Coast Guard pursuing another oil tanker off coast of Venezuela | Trump administration | The Guardian
- US seizes second oil tanker off Venezuela’s coast | Business and Economy News | Al Jazeera
