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経団連が2025年12月24日に公表した大手企業の冬の賞与・一時金の最終集計で、平均妥結額は100万4841円となり、比較可能な1981年以降で初めて100万円を超えた。前年比の伸びは8.57%で、増加は4年連続だ。数字の節目は派手だが、年末の家計が軽くなるかは、業種と企業の「稼ぎ方」に左右される。
100万円の達成感の裏で、業種ごとに濃淡が出る
今回の集計は大手164社を対象にしたもので、約97万人分の妥結額を平均した。平均が100万円台に乗った一方、全ての業種が同じ方向に動いたわけではない。報道ベースでは、プラスの業種がある一方でマイナスの業種も残り、ボーナスの「上振れ」が届く範囲には差がある。
伸びが目立つのは、製造業を中心とした好業績の波だ。石油や自動車、化学などの伸び率が大きかったとの整理も出ている。年末は帰省や暖房費、正月準備など出費が重なる時期で、同じ「100万円超」でも、残業や業績連動の割合が高い職場ほど体感は変わりやすい。
賃上げの勢いは確認、ただ中小への波及が次の焦点
増加の背景として、月例賃金の引き上げや企業業績の底堅さが指摘されている。ボーナスは基本給と連動しやすく、賃上げが積み上がると賞与にも反映されやすい。会社の業績に応じて支給が増減する仕組みを厚くする動きもあり、利益が出た企業ほど伸びが出やすい構造だ。
一方で、景気の実感が社会全体に広がるには「外側」に届くかが問われる。帝国データバンクの調査では、2025年冬に賞与を支給予定の企業は8割台だが、支給額が増える企業は2割強にとどまる。東京都の別調査でも年末一時金の平均妥結額は約88万円で、サンプルは違うものの大企業平均との差が意識される。大企業の節目が、取引先や地域の賃金にまでつながるかが、次の注目点になる。
