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大阪府警捜査4課の家宅捜索を巡り、捜査対象者の男性らに暴力を振るったとして警察官2人が逮捕、起訴された事件で、大阪地検が同じ現場にいた別の警察官4人も特別公務員暴行陵虐罪で在宅起訴していたことが、捜査関係者の話で分かった。起訴は11日付で、起訴された警察官は計6人となった。
家宅捜索の場で、責任が見えにくくなる
問題となったのは、捜査4課が7月15日、大阪市内のレンタルオフィスを、全国最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみて家宅捜索した現場だ。捜索には20人以上の捜査員が関わったとされる。大人数での捜索は、証拠の散逸を防ぎ、関係者の動きを抑える狙いがある一方で、個々の行為が群れの中に埋もれやすい。今回は、その捜索の最中に複数の警察官が暴行に関与した疑いが浮上し、結果として在宅起訴を含め6人が刑事責任を問われる局面に進んだ。
特別公務員暴行陵虐罪は、権限を持つ公務員が職務に乗じて暴行や残虐な扱いをした場合を罰する枠組みだ。家宅捜索は私権を強く制約する手続きで、適法性の担保は「令状があるか」だけでは足りない。現場の緊張が高いほど、誰が止め、誰が引き継ぎ、誰が記録するのかという監督の線が曖昧になりやすい点が、改めて問われている。
「在宅起訴」が示す捜査の次の焦点
今回の4人は在宅起訴とされ、身柄を拘束しないまま刑事裁判の手続きに入る。在宅起訴は、逃亡や証拠隠滅の恐れなどを踏まえて判断されるのが一般的で、起訴の形が違っても、罪に問われる重みは変わらない。現場の参加者が多数だったとされる中、検察の判断は「関与の線引き」が複数に及んだことを示す。
大阪府警は関与の範囲や監督態勢の問題について調査を続けている。刑事裁判では個々の行為が争点になるが、組織としては、捜索時の指揮命令系統、記録の取り方、制止のルールをどう具体化するかが避けられない。捜査の正当性は、結果よりも手続きへの信頼で支えられる。現場の力学がそれを崩したとき、修復に必要な時間は想像以上に長くなる。
