パナマ政府が船籍偽装を調査　米国が臨検したベネズエラ原油タンカー

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2025.12.23

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パナマのハビエル・マルティネスアチャ外相は2025年12月22日、ベネズエラを出た原油タンカーが米沿岸警備隊に12月20日、カリブ海で臨検され管理下に置かれた件について、船がパナマ国旗を名乗る経緯を調べていると明らかにした。不審な追跡信号の停止や船名の変更が確認されたという。

「旗を貸す国」に戻ってくるツケ

問題の船はCenturiesとされ、航行中に自動船舶識別装置AISの送信を止めたと外相は説明した。AISは船の位置や識別情報を周囲に知らせる仕組みで、切れば衝突回避や監視の網から外れやすい。パナマは規則違反の有無を確認する構えだ。

旗国は、船籍を与える代わりに安全や環境の基準を守らせる責任を負う。外相は、基準に反する船には手続きを通じて登録取り消しなどの措置を取り得るとの考えを示した。パナマ海事当局も近年、制裁対象船への対応や審査強化を進めている。

臨検を行った米側は、ベネズエラ産原油の輸出を巡る取り締まりを強めている。12月10日には別のタンカーSkipperの拿捕が報じられ、今回の件もその延長線上にある。Reutersなどによれば、こうした動きで積み出しが鈍り、一部の船が引き返す事態も出ている。

海上での強制力が前面に出るほど、運航会社や買い手は「自分の船は大丈夫か」を確認するコストを負う。各国メディアは、国際法上の根拠や航行の自由との関係を論点に挙げる。旗国パナマの調査が、米国の次の対応や「幽霊船」対策の実効性を左右しそうだ。