サンクトペテルブルクに集結　ロシアが旧ソ連圏を誇示

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2025.12.23

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ロシアのプーチン大統領は2025年12月22日、サンクトペテルブルクで独立国家共同体（CIS）各国首脳を集めた非公式会合を主催した。前日の12月21日にはユーラシア経済同盟（EAEU）の首脳会議も同地で開き、年末の同時開催で「旧ソ連圏の輪郭」を改めて示そうとした。

「招かれる側」が測るロシアとの距離

Anadolu Agencyによると、会合はエルミタージュ美術館で開かれ、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの各首脳に加え、アルメニアからは首相が参加した。会場演出は華やかでも、各国にとって重要なのは式典より、国境管理や物流、労働移民など「日々の取引」を滞らせない実務の確認だ。

ウクライナ侵攻後、ロシアとの近さは利益とコストを同時に運ぶ。たとえば制裁の“余波”は、金融決済や輸送の迂回という形で周辺国の企業や家計にも回り込む。首脳が同じテーブルにつくことは、結束の誇示というより、各国がロシアとの距離感をその都度調整するための「年末の点検」にも見える。

EAEUの結束演出と、外へ向く経済カード

12月21日のEAEU会議では、加盟国の統合を進める議題が扱われたと、複数の報道が伝えた。さらにReutersは、EAEUとインドネシアが自由貿易協定（FTA）に署名したと報じている。EAEU側がインドネシア向け関税の90.5%で優遇を提示し、約1.8億人規模の市場アクセスをうたう構図は、域内結束だけでなく「外との接続」を成果として掲げたい意図を映す。

ただ、周辺国にとっては、ロシア主導の枠組みが“選択肢の幅”を広げるのか、それとも地政学の板挟みを強めるのかが判断軸になる。Interfaxは、年末のCIS首脳の集まりが慣例だとする大統領府関係者の説明を伝えていた。恒例行事は続いても、戦争が長引く限り、集まること自体が影響力の証明になるとは限らない。

「招かれる側」が測るロシアとの距離

EAEUの結束演出と、外へ向く経済カード

参考・出典