本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
青森県の宮下宗一郎知事が12月8日、六ケ所村のむつ小川原開発地区に核融合原型炉を誘致する方針を公にした。県としてフュージョンエネルギーの研究・産業拠点づくりに本格的に乗り出す節目となる。次世代エネルギーの旗を掲げる六ケ所は、この一手で何を得て、何を背負うことになるのか。
研究拠点から「原型炉の町」へ、地域に広がる期待と不安
六ケ所村には、量子科学技術研究開発機構の六ケ所フュージョンエネルギー研究所や国際核融合エネルギー研究センターなど、既に核融合関連施設が集積している。ITER計画を補完する材料試験や計算シミュレーションが進み、村は長く「研究の町」として歩んできた。今回の誘致表明は、その先に発電実証まで担う「原型炉の町」への転換を見据えた動きといえる。
原型炉が立地すれば、関連産業や雇用の拡大に加え、既存の研究施設との連携による集積効果も期待される。地元経済界には「核融合城下町」として新たな成長軸を描く声がある一方、再処理工場など核燃料サイクル施設を受け入れてきた歴史から、負担の偏りや将来の「後始末」を懸念する住民もいる。開発と安全・環境リスクをどう天秤にかけるのかが、地域にとっての大きな問いとなる。
国の戦略と国際競争、青森発フュージョン産業の行方
政府は今年4月、核融合発電の国家戦略を改定し、2030年代の発電実証を目標に、原型炉の立地選定手続きなどを検討する組織を内閣府に設ける方針を示した。11月に閣議決定された総合経済対策にも、フュージョンエネルギーの早期実現が盛り込まれている。こうした流れを受け、宮下知事は国際的な産業化競争に打ち勝ち、日本と世界のイノベーションを牽引する拠点にしたいとの考えを会見で強調した。
国内外では、材料照射用の加速器開発やトリチウム研究施設の計画が進み、スタートアップ企業も含めた民間参入が相次ぐ。六ケ所でも重陽子加速器の高出力化や新たな燃料研究施設の整備が予定されており、原型炉誘致はその延長線上にある構想だ。ただ、立地の議論は技術や経済性だけでなく、長期にわたる地域社会との約束をどう設計するかが問われる。県と国、研究機関、住民が情報を共有しながら、フュージョンエネルギーの「城下町」のかたちを探るプロセスは始まったばかりだ。
