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国会内の会見場で、斉藤健一郎参院議員が静かにマイクの前に立った。所属してきた政治団体「NHKから国民を守る党」を離党すると伝えたのは、2025年11月17日のことだ。党首の立花孝志容疑者の逮捕後、党の運営をめぐり混乱が続いた責任を取る決断だと説明した。この離党により、同団体に所属する国会議員はいなくなり、小さな組織を支えてきた唯一の議席が国会から姿を消すことになった。
斉藤参院議員の離党が映す小さな政党の揺らぎ
会見で斉藤氏は、立花孝志容疑者の逮捕を受けて党内で混乱が広がった経緯をあらためて語った。自らが役員会で示した党首の解任決議案が外部に流出し、支持者の間に誤解と動揺を生んだことを重く受け止めているとした。そのうえで、混乱が国会での審議や自身の活動に影響しないよう区切りを付ける必要があるとして、離党は責任の所在を明らかにする選択だと位置づけた。
斉藤氏はこれまで、副党首として団体運営を支えつつ、唯一の国会議員として活動してきた存在だ。参院では一時、自民党と統一会派を組み、与党側の議席運営を支える役回りも担っていた。しかし立花容疑者の逮捕後、その会派を解消し、無所属としての立場を強めてきた経過がある。今回の離党によって団体は国会に議席を持たない政治団体となり、NHK受信料などをめぐる主張を院内で直接訴える場は、ひとまず失われることになる。
一方で斉藤氏は、離党後も立花容疑者との政策面での連携は変わらないと繰り返し強調した。党首との関係を断つのではなく、政治団体としての責任と国会議員としての役割を切り分ける狙いがにじむ。個人の影響力が大きい小政党では、代表の不祥事が組織全体の存続や信頼に直結しやすい。今回の決断は、看板となる党首と、そこに所属してきた議員がそれぞれどのように責任を負うのかという、難しい課題を静かに浮かび上がらせている。
