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カンボジア政府は2025年12月15日、国境地帯で再燃したタイとの戦闘が内陸へ広がり、シェムリアップ州が空爆を受けたと非難した。アンコールワットを抱える州が攻撃の射程に入ったのは今回が初めてだという。国境線そのものを争う対立が、観光と避難の現場にまで影を落とし始めた。
「前線の外」だった観光州が標的になった意味
カンボジア側は、タイ軍機が避難民のいる地域に近い地点まで爆撃を行い、シェムリアップ州で橋が破壊されたと主張する。アンコールワット近郊の州にまで攻撃が及んだという訴えは、戦闘の地理が変わりつつあることを示す材料になる。タイ側は民間人を狙っていないと説明している(AP通信)。
空爆は、地上の目標を航空機で攻撃する行為だ。例えばF-16のような戦闘機が使われれば、戦線の外だと思われていた地域でも警戒が必要になる。安全面の直接影響は、避難所の運営や移動の制約としてまず表れやすい。一方、旅行者や観光業への影響は限定的でも、対象地域が広がれば予定変更が増える。
境界線の争いは「寺院の帰属」にも絡む
両国は植民地時代に引かれた約800kmの国境をめぐり、地図の解釈や周辺の遺跡の扱いで対立してきた。寺院は信仰の場であると同時に、国境線の根拠として持ち出されやすい象徴でもある。過去にはプレアビヒア寺院をめぐる争いが国際司法の場に持ち込まれ、国内世論も揺れた。
今後の分岐は大きく2つある。1つは、監視や緩衝などの取り決めを含む停戦枠組みへ戻る道、もう1つは、補給遮断や報復が連鎖して「深い内陸」まで警戒範囲が広がる道だ。燃料や物流の制限が長引く場合、家計や移動費に間接影響が出る可能性もある。現地が求めるのは、観光地が戦略目標に変わらない線引きだ。
