警察庁が公表、SNS型投資詐欺の被害が1〜9月で2000件超・約300億円

警察庁が公表、SNS型投資詐欺の被害が1〜9月で2000件超・約300億円

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SNSの画面に現れた見慣れないバナーを押すと、数分後にはLINEのグループ招待が届く。2025年11月12日、警察庁は著名人を装うネット広告を入口とする「SNS型投資詐欺」の被害が今年1〜9月の暫定値で2000件超、被害額は約300億円規模に達したと明らかにした。7月以降の増勢が際立ち、同庁は注意喚起を強めている。

広告からLINEへ、仕組まれた導線

手口は単純だが巧妙だ。YouTubeやInstagramに出た偽のバナー広告が「爆上げ投資銘柄をGET」などと煽り、タップした人をLINEのグループチャットへ誘導する。そこでは経済評論家や投資家になりすました人物が登場し、サクラの“成功談”が流れ、疑いの余地を狭めていく。会話は軽く始まり、送金の具体的指示へと滑るようにつながる。

最終段階では「株投資」「手数料」の名目でネットバンキングの送金を求める。ネットバンキングはオンラインで送金や残高確認を行うサービスだが、匿名の相手に指示されるがままの振込は危険である。出金を試すと「引き出しには追加の保証金が必要」と迫られ、資金を重ねて失う構図が繰り返される。表示された利益は偽装で、残高は現実の口座に存在しない。

警察庁の分析では、被害者は50〜60代が約半数を占める。投資経験や資産を持つ層ほど標的になりやすく、広告の言い回しも「基礎から伴走」「限定コミュニティ」など安心感を装う。著名人の顔写真や企業ロゴが並ぶことで、広告としての体裁が信頼にすり替わる。入口が“広告”であることが、詐欺の敷居を下げている。

7月以降に急増、月500件規模が続く局面

この類型の被害は昨年前半に多発したのち、いったん沈静化していたが、今年の春頃から再び増勢に転じた。とりわけ7月以降の伸びが大きく、8〜9月は月500件規模に達する局面が続いた。広告からの接触が増え、当初コンタクトで「バナー等広告」が最多という月も出ている。動線の最適化が、詐欺側の“集客”まで効率化している印象だ。

背景には投資関心の高まりと、広告配信のアルゴリズムが関心層を精緻に捉える構造がある。投資や相場に関する動画や投稿を閲覧した人ほど、類似の広告が表示されやすい。正規の金融教育や情報発信と、詐欺広告が同じ面に並ぶことで見分けが難しくなる。被害は全国で散発的に起きるが、表示される広告の“質感”は驚くほど似通っている。

実際のやり取りでは、短期間で利益が増えるグラフや、少額の出金成功を演出して信頼を固める手口が使われる。そこから金額の桁を上げさせるのが常道だ。被害の早期発見には、最初の送金前に第三者へ相談する一呼吸が効く。家族や勤務先の総務、金融機関、そして警察相談専用電話「#9110」を活用し、孤立した判断から距離を取ることが重要である。

変わる対策、問われるプラットフォームの責任

政府は2024年にSNS型投資詐欺への総合対策を決定し、プラットフォームに対し、なりすまし広告の事前審査と迅速な削除を求めた。悪質な放置に対しては幇助の観点から刑事責任が問われうると示し、抑止を狙う。海外拠点の実行役摘発や資金の流れの遮断も進められており、関係省庁と民間の連携強化が続く。

一方で、広告流通は巨大で変化が早い。審査のすり抜けを狙う偽装は高度化し、著名人の肖像やニュースを切り貼りした“もっともらしさ”を量産する。警察庁は、広告やDMからLINE等へ誘導する一連の導線自体を「赤信号」と捉えるよう呼びかける。警察がLINEで投資助言や送金指示をすることはないという基本を共有することが、被害抑止の土台になる。

生活者側の初動も鍵だ。広告に触れた直後は期待と不安が交錯し、判断が揺らぎやすい。利益を強調する表示や「限定」「今だけ」といった言葉が並んだら、画面を閉じてから公式サイトや公的機関の注意喚起を確かめたい。疑いを感じた時点で「#9110」に相談し、履歴や送金記録を早めに共有すれば、被害の拡大や二次被害の芽を摘みやすくなる。

なお、著名人本人が「LINEで投資を勧誘しない」と表明する例も広がっている。名を騙る広告が先に出回り、本人が否定するという逆転が日常化した。匿名のバナーはクリックの一瞬から始まる。便利さに寄りかかるほど、確認の手間は自分の側に移っている。

参考・出典

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