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生成AIで作られた児童性的虐待コンテンツの拡散をめぐり、スペインのサンチェス首相は現地時間2月17日、X、Meta、TikTokを対象に検察が捜査に入るよう政府として要請したと表明した。内閣として検察に働きかける法的手続きを使い、プラットフォーム側に刑事上の責任が及びうるかを調べる構えだ。
検察捜査要請 対象はX・Meta・TikTok
捜査要請の柱は、政府が検察に対応を求められる制度を適用し、3社のサービス上でAI生成の児童ポルノやディープフェイクが作られ、流通した疑いを捜査対象にする点にある。首相は、子どもの尊厳や心の健康、権利を損なう行為を放置できないとの立場を示した。
スペイン紙エル・パイスによると、ボラニョス法相は検察トップに書簡と技術報告書を送り、プラットフォームの設計や運用が、作成や拡散を「容易にしている」との問題意識を示した。報告書では、刑法上の複数の罪名が成り立ちうるとして、作成、製造・販売・配布、所持、ネットを通じた誘引などを例示している。
ディープフェイクは、実在の写真や動画を元に、別人の性的画像に「見せる」合成ができる。生成AIの普及で、専門知識が乏しくても大量に作れてしまう一方、投稿が短時間で複製され、閉じたコミュニティにも流れやすい。被害の発覚が遅れ、削除や捜査が追いつきにくい構造がある。
欧州で強まる規制圧力 各社は否定
ロイターの報道では、サンチェス氏の表明直後、TikTokは児童性的虐待コンテンツを「忌むべきもの」とし、規約で明確に禁止していると説明した。エル・パイスも、MetaやTikTokが不正を否定していると伝えている。Xは回答が得られていないとする報道が目立つ。
同時に、欧州ではX周辺の捜査や監督が連鎖している。AP通信によると、アイルランドのデータ保護当局は、X上で提供されるチャットボットGrokが同意のない性的ディープフェイク画像を生成・拡散した疑いを受け、EU一般データ保護規則に基づく調査を始めた。TIMEも、スペインが16歳未満のSNS利用を制限する構想を掲げ、監督強化と一体で進めていると報じた。
生成AIは「作るコスト」を急激に下げ、違法画像の量と拡散速度を押し上げた。捜査が進むほど、プラットフォームには年齢確認の実効性、通報から削除までの時間短縮、捜査機関への情報提供の標準化が求められる。対応の遅れは罰則や利用制限につながり、各社の運用設計そのものを変える圧力になる。
参考・出典
- Spain to probe X, Meta, TikTok over AI-generated child sexual abuse material (ロイター via Investing.com)
- Bolaños apunta a las plataformas en la carta a la Fiscalía: “Podrían impedir fácilmente los ‘deepfakes’ sexuales” | Sociedad | EL PAÍS
- Irish regulator opens EU privacy investigation into Grok deepfakes | AP News
- Spain Orders Criminal Investigation Into X, Meta, and TikTok | TIME
- Spain to investigate social media firms over AI-generated child sexual abuse material | Spain | The Guardian
