スペイン国防省がエアバスC295を18機追加、訓練機更新で機種統一

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2025.12.31

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スペイン国防省が、エアバスの双発ターボプロップ輸送機C295を18機追加で取得する。スペイン航空宇宙軍が、パイロットや空挺部隊の訓練に使ってきたCN235とC212の置き換えが主眼だ。既存のC295運用と合わせ、機種の統一で整備や運用の共通性を高める狙いがある。

訓練現場は「機種の混在」から抜け出す

導入は一度に全機が入れ替わるのではなく、拠点ごとに段階を踏む。エアバスによると、サラマンカ県のマタカン空軍基地では2026年から新機を受け入れ、ムルシア県のアルカンタリーリャ基地は2030年以降の配備を想定する。訓練計画の組み直しが、現場の最初の仕事になる。

C295は兵員輸送だけでなく、空挺降下や物料投下、医療搬送も担える機体だ。例えば、降下訓練の日に機材側の都合で代替機を探す負担は、機種が揃うほど小さくなる。一方で、旧式機の退役と新機の受領が重なる期間は、教官の資格移行や整備要員の再教育も同時に進める必要がある。

今回の追加取得で、スペインが運用するC295は輸送、海上哨戒、監視を合わせて46機になる見通しだ。背景には、海上哨戒・監視用のC295を別枠で進めてきた流れもある。任務は広がるが、機体の基本部分を共通化すれば、部品の備蓄や整備手順、訓練課程をまとめやすい。

契約は機体だけでなく、地上訓練システム（模擬装置）や運用支援も含むとされ、少なくとも2032年までの支援枠が示されている。論点は単純な「新旧交代」ではない。初期費用を上乗せしてでも稼働率を上げるのか、訓練飛行時間の確保をどう安定させるのかという、コストと即応性のトレードオフが残る。