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国際救援委員会(IRC)は12月16日、人道上の緊急事態が起きる、または悪化する恐れが高い20の国、地域をまとめた2026年版の警戒リストを公表した。内戦下のスーダンが3年連続で最も深刻とされ、避難民は1200万人超に達する。
支援の現場は「不足」から先に崩れる
ロイター通信は、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が2023年4月に衝突して以降、スーダンで避難が連鎖し、1200万人超が住まいを失ったと伝えた。逃げ場を求める人が増えるほど、食料や医薬品を運ぶ道も細くなる。
危機を深めるのは戦闘だけではない。燃料や現金、車両が欠ければ、配給所も診療所も回らず、支援は「必要な人」ではなく「届く場所」から選別されてしまう。争点は、膨らむ需要に見合う資金と人員を国際社会が積み増せるかに残る。
20の顔ぶれが映す、危機の集中と線引き
IRCの警戒リストは、翌年に人道危機が深刻化し得る国を20件に絞る年次の分析だ。2026年版の上位は、スーダンに続きパレスチナ自治区、南スーダン、エチオピア、ハイチとなった。前年の2025年版でもスーダンが首位で、優先順位が動きにくい構図が透ける。
ロイター通信は、対象20件が世界人口の12%にとどまるのに、人道支援を必要とする人の89%が集中すると伝えた。選択肢は、需要の増加に資金が追いつくのか、それとも支援の線引きが強まるのかという2択だ。次に確認したいのは、国連世界食糧計画(WFP、国連の食料支援機関)が2026年1月から始める配給削減の範囲である。
参考・出典
- Sudan once again tops International Rescue Committee crises watchlist (Reuters, 2025-12-16)
- Food rations to Sudan to be reduced due to funding shortages, WFP says (Reuters, 2025-12-12)
- New world disorder: Support shrinks as crises surge | The IRC
- 2025 Emergency Watchlist | The IRC
- Sudan faces the world's worst humanitarian crisis as second anniversary of war nears, UN says
