台湾、日本産食品の全規制を正式撤廃 輸入業者に“長い冬”の終わり
台北で担当官が声明を読み上げたのは、2025年11月21日の午後だった。東京電力福島第1原発事故をきっかけに続いてきた日本産食品への輸入規制を、この日付で全て終わらせるという内容だ。長年、産地証明書や放射性物質の検査報告書をそろえてきた輸入業者たちは、静かにその一文を聞き届けた。
本ページでは「台湾」をテーマとした記事を一覧で掲載しています。
台北で担当官が声明を読み上げたのは、2025年11月21日の午後だった。東京電力福島第1原発事故をきっかけに続いてきた日本産食品への輸入規制を、この日付で全て終わらせるという内容だ。長年、産地証明書や放射性物質の検査報告書をそろえてきた輸入業者たちは、静かにその一文を聞き届けた。
記者団の前で足を止めた高市早苗首相は、険しい表情を保ちながらも言葉を選ぶように語った。台湾をめぐり中国との緊張が続くなかでも、「建設的で安定した関係を築きたい」と強調し、日本政府の台湾に関する立場は変わっていないと念を押した。発言があったのは2025年11月21日、主要20か国・地域首脳会議に向けて出発する直前の羽田空港だった。
報告書が公表された会見場で、分厚い冊子のページが静かにめくられていった。防衛省のシンクタンク、防衛研究所が2025年11月20日にまとめた「中国安全保障リポート2026」は、中国とロシア、北朝鮮の結び付きが、台湾や東・南シナ海、朝鮮半島を含むインド太平洋の安全保障を揺らしていると警鐘を鳴らす。
記者団の視線が集まる中、赤沢亮正経済産業相は静かにマイクに向かった。台湾を巡る高市早苗首相の発言に対し、中国が日本への渡航を控えるよう呼びかけるなど緊張を強める中でも、「レアアースの輸出規制に急な変化は確認されていない」と現状を説明し、日本企業が気にする供給不安の度合いを丁寧に見極めようとしている姿がにじんだ。
頼清徳総統が記者団の前で言葉を強めた。2025年11月17日、台湾を巡る日中の応酬が続くなか、中国が日本に対して「多面的な攻撃」を加えていると指摘し、国際社会に継続的な注視を求めた。中国には自制と大国らしい振る舞いを促し、地域の安定を損なわないよう釘を刺した。発言は足元の緊張に一呼吸を求める合図でもある。
防衛省は2025年11月17日(月)、日本最南端の与那国島付近で15日(土)に中国のものとみられる無人機を確認し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対応したと明らかにした。無人機は与那国島と台湾の間を飛行したとされ、領空侵犯の有無など詳細は公表されていない。南西空域の警戒態勢は継続している。
高市早苗首相の国会答弁に中国が強く反発する中、日本政府は2025年11月14日、台湾をめぐる立場に変更はないと改めて示した。木原稔官房長官は、台湾海峡の平和と安定は国際社会にとって重要で、対話による平和的解決を期待するという従来方針を確認した。緊張が言葉から現実へと移らぬよう、政府は説明の線を整えにかかった。
カートに並ぶのは、10ドル以下の小さな必需品だ。アマゾンが低価格ショッピング「アマゾン・バザール(米国では『ホール』)」の展開を広げ、2025年11月7日に香港や台湾、フィリピン、ナイジェリアなど14市場へ一気に拡大した。SHEIN(中国系ファストファッションEC)やTemu(低価格ECアプリ)に流れる需要を引き戻す狙いで、家庭用品や衣料を中心に“安さと手軽さ”を前面に出す構えである。
与野党の声が交錯する委員会室で、答弁席の言葉が一拍置かれた。2025年11月10日の衆院予算委員会で、高市早苗首相は7日の発言を撤回しない考えを示した。中国が台湾を海上封鎖するような有事を念頭に、「存立危機事態(日本の存立が脅かされると内閣が認定する局面)」に当たり得るとの趣旨を維持した形だ。政府の説明姿勢と法運用の線引きが焦点になっている。
欧州訪問から帰着した台湾の蕭美琴副総統が2025年11月9日、空港で「台湾は孤独ではない」と語り、国際社会での存在感を示し続ける決意を明確にした。欧州議会で開かれたIPAC年次総会に出席し、欧州での発信を高位当局者として実現した点が注目される。動きは静かだが、回路は確かに広がっている。
中国外務省が動いた。2025年11月4日、来年11月に中国・深圳で開くAPEC首脳会議を巡り、台湾が示した安全上の懸念を否定しつつ、参加の鍵は確立された慣行と「一つの中国」原則、そして関連覚書の順守にあると表明した。台湾は「チャイニーズ・タイペイ」として出席してきたが、開催地が深圳に決まったことで、参加条件の線引きが早めに示された形である。
フロリダの海風が差し込むマールアラーゴで、硬い表情のトランプ米大統領がカメラに向かった。米CBSの報道番組「60ミニッツ」が放送されたのは2025年11月2日。大統領は、中国の台湾への攻撃リスクを「彼らは理解している」と語りつつ、米軍が実際に介入するかは言明を避けた。抑止のメッセージをにじませながらも、具体策は霧の中に置いた発言だと映る。
薄暮の慶州で、視線は一枚の握手写真に集まった。2025年11月1日、高市早苗首相がAPECの場で台湾代表の林信義氏と面会し、その様子をXに続けて投稿したことをめぐり、中国外務省が日本側に厳正な申し入れと強烈な抗議を表明した。前日の10月31日には高市首相と習近平国家主席の会談も行われており、首脳外交の余熱が残る会場で火花が散った構図である。
韓国で開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、台湾代表団は10月31日、米台の貿易協議が「実務はほぼまとまり、現在は文書の交換段階にある」と説明した。30日には楊珍ニー交渉代表が米通商代表部のリック・スウィッツァー副代表と会談したが、関税の取り扱いなどは引き続き協議中で、半導体は従来どおり関税の対象外とされる。現時点で確認されている範囲では最終合意には至っていない。
米国のヘグセス国防長官は10月31日、クアラルンプールで中国の董軍国防相と会談した。米側は「自国の国益を断固として守る」と強調し、インド太平洋の力の均衡を維持する方針を示した。南シナ海や台湾周辺での中国の活動への懸念も伝達したと報じられている。会談はASEAN国防相会議の合間に実施された。
米国のトランプ大統領は10月30日、韓国・釜山での習近平国家主席との会談後、台湾問題は「一切話題にならなかった」と記者団に述べた。会談の実施自体は中国外交部が前日の29日に予告しており、発言は大統領専用機内で伝えられたとされる。米中首脳の直接対話は両国関係の地ならしと位置づけられ、今後の外交日程や地域情勢に与える影響が注目されている。
首都ムババーネの空に乾いた風が走る午前、台湾の梁洪昇大使が静かに口火を切った。2025年10月29日までに共同通信の取材に応じ、中国にとってエスワティニは「パズルの最後のピースだ」と述べ、台湾との関係を断たせるための偽情報が流布していると批判した。アフリカで唯一台湾と国交を結ぶ小国に、地域競争の焦点が凝縮していると映る。
台北のラジオスタジオでマイクが光る。台湾当局が、米国の保守系ポッドキャスターやインフルエンサーに静かに接触を広げている。韓国で開かれるAPECの首脳会議を前に、トランプ米大統領が対中交渉で台湾の優先度を下げるのではないかという不安がにじむ。狙いは、米政権の関心リストで台湾を埋もれさせないことにある。現時点で確認されている範囲では、動きは水面下で続いている。
貿易休戦の期限が近づく米中関係で、トランプ米大統領が再開交渉の優先課題としてレアアース(希土類)、合成麻薬フェンタニル、大豆、台湾を挙げた。11月1日の100%追加関税をちらつかせつつ、10月末のAPEC前後に習近平国家主席との会談を探る構図だ。圧力と対話が交錯し、緊張と期待が同時に膨らんでいる。
夜明け前の水平線に、白い航跡が細く伸びていた。台湾が実効支配する東沙諸島の沖で、中国の海警局の船や油ガス関連の構造物が存在感を増している。段階的に小さな変化を積み上げ、現場の秩序を書き換える「サラミスライス」が、頼清徳政権の神経をじわりと削っているとみられる。東アジアの海の緊張が、静かに濃さを増している。