香港・新界大埔 高層住宅火災で146人死亡、扇動容疑で市民逮捕相次ぐ

大規模火災、相次ぐ「扇動」容疑の拘束 香港社会で揺れる言動規制

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香港・新界地区大埔の高層住宅群で起きた大規模火災は、死者146人、行方不明約40人という戦後最悪級の被害となった。その直後、火災を巡る言動を理由に市民が「扇動」容疑で相次いで逮捕されている。献花の列が途切れない現場で、支援や批判の声はどこまで許されるのかが問われている。

追悼の列とかさなる、市民ボランティアへの締め付け

火災が発生したマンション群「宏福苑(Wang Fuk Court)」では、消火活動が終わった後も、黒く焦げた外壁の下に長い献花の列が伸びている。犠牲者には高齢者や外国人家事労働者も含まれ、市民は静かに手を合わせながらも、なぜここまで被害が拡大したのかという疑問を口にする。

現場近くには当初、飲み物や衣類を配るボランティアの配給所が複数立ち上がり、被災者や捜索にあたる人々を支えた。ところが香港メディアによれば、当局はこうした拠点を撤去させ、ボランティア団体に活動停止を求めたという。「誰かの政治的主張と見なされないか」と不安を抱いて、支援現場から身を引く市民も出ていると伝えられる。

本来であれば、災害直後のボランティア拠点は情報共有や見守りの役割も果たす。日本や欧州の大規模火災では、市民団体が長期にわたり炊き出しや相談窓口を担い、行政の不足を補ってきた例も多い。しかし香港では、追悼と支援の場そのものが治安の対象となりつつあり、被災者が安心して助けを求められる空間が狭められている。

相次ぐ「扇動」容疑逮捕 当局が恐れる怒りの矛先

まず標的となったのは、火災の独立調査委員会の設置などを政府に求めた若い男性だ。共同通信系の報道によると、この大学生は外壁補修工事の安全性不備の背景に不正があると訴え、ネット上の署名やビラ配りで政府の説明責任を問うた結果、国家安全部に扇動容疑で逮捕された。

続いて香港メディアが伝えたのが、11月30日に新たに拘束された2人である。逮捕されたのは、民主派の元区議会議員の男性と、現場で物資配布に関わっていたボランティアの女性だ。テレビ朝日などによれば、2人は火災を利用して憎悪をあおろうとしたとされ、インターネット上での投稿や、先に逮捕された学生に関する情報の拡散が問題視されているという。

一方、中国政府の出先機関や香港当局は、声明や談話で「虚偽情報により政府への恨みをあおっている勢力がいる」と強調し、2019年の大規模デモの再来を警戒する姿勢を隠さない。12月7日には民主派勢力がほぼ排除された立法会選挙が予定されており、火災をめぐる市民の怒りが政治的不満と結びつくことを、当局は何より恐れているように見える。

災害と批判の封じ込めがもたらす、長い影

香港では国家安全維持法の施行以降、追悼集会や抗議デモの主催者が「扇動」や「国家政権転覆」などの容疑で摘発される事例が相次いできた。今回、その網が大規模火災をめぐる請願やボランティア活動にまで及んだことで、市民の側には「哀悼や安全対策の要求まで政治とみなされるのか」という戸惑いが広がっている。

ロンドンのグレンフェル・タワー火災では、住民の声を受けて独立調査が設置され、外壁素材の安全基準見直しに踏み出した。それと対照的に、宏福苑の火災では、調査を求める行為そのものが摘発対象となっており、将来の安全対策に必要な告発や問題提起が萎縮しかねない。建物の欠陥を知る作業員や住民ほど、声を上げるリスクを計算せざるを得なくなるからだ。

災害で命を落とした人々にとって必要なのは、生活再建とともに、なぜ被害がここまで拡大したのかという納得のいく説明である。批判や調査要求が一律に「扇動」とみなされれば、責任の所在はかえって見えにくくなる。怒りと悲しみが静かに積み重なる香港の住宅街で、災害対応と表現の自由をどう両立させるのかという問いは、長く残り続けそうだ。

参考・出典

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