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米経済誌Forbesが10日に公表した「世界で最もパワフルな女性」2025年版で、日本の高市早苗首相が3位に入った。首位は欧州委員会のフォンデアライエン委員長、2位は欧州中央銀行のラガルド総裁で、高市氏は世界の女性リーダーの中で政治家として最高位の新顔となる。
日本初の女性宰相に向けられた期待
Forbesは高市氏を、半導体の供給網や安全保障、少子高齢化など複数の難題が重なる日本で舵取りを担う存在と評価し、その決断が東アジアの勢力図や世界の製造業の安定を左右しうると位置づけた。10月に就任した日本初の女性首相として、国際会議で人気漫画のせりふを引用し投資を呼びかけるなど、強いメッセージ性も含めて世界の注目を集めている。
一方で、今回のランキングに日本人は高市氏1人しか入らなかった。企業の管理職や政治分野で女性比率が低い構造は依然として残り、首相の存在感と職場や地域社会での実感との距離も大きい。世界から寄せられた象徴的な評価を、若い世代のロールモデルづくりや女性登用の流れにどうつなげるかが、国内の働く女性たちの視線の先にある。
世界の女性リーダーの顔ぶれが示すもの
今回の上位3人は、欧州委のフォンデアライエン委員長、ECBのラガルド総裁、高市首相と、いずれも巨大経済や通貨政策を預かる政治・金融分野の指導者が占めた。エネルギー危機やウクライナ情勢、インフレなど難題が続くなかで、民主主義陣営のかじ取り役として女性リーダーが前面に立つ構図が一段と鮮明になっている。
Forbesのランキングは、資産や組織の規模だけでなく、政策決定への影響力やメディア露出、社会的インパクトなど複数の指標で総合評価している。テクノロジーや金融、エンタメの分野からもリサ・スー氏やテイラー・スウィフト氏ら多様な顔ぶれが名を連ねるが、依然として全体の数は限られ、国や業界による偏りも大きい。今回の結果は、女性が権力の中枢にどこまで到達しているかを測る物差しであると同時に、日本を含む各国が残された壁の厚さとどう向き合うかを問いかけている。
参考・出典
- The world’s most powerful women 2025: Where do women hold real power?
- Takaichi Ranked 3rd on Forbes List of Most Powerful Women
- Forbes World’s Most Powerful Women of 2025
- The World’s Most Powerful Women 2025: Where Do Women Hold Real Power?
- Forbes ranks Japan PM Takaichi 3rd in list of world’s most powerful women – The Mainichi
