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田久保真紀前市長が、失職に伴う伊東市長選（12月7日告示、14日投開票）に出馬する意向を固めたことが13日、関係者の話で分かった。18日にも記者会見を開く方向という。学歴詐称の指摘を受け、市議会は10月31日に2度目の不信任決議を可決し、田久保氏は同日付で失職していた。出直し選の行方は、市政の停滞をどう断ち切るかという実務の問いに直結する。
立候補へ舵を切る
関係者によると、田久保氏は13日までに出馬の意向を固め、18日にも会見を開く調整を進めているという。これまで田久保氏は「支援をいただく皆さんとよく話し合って決めたい」と述べ、対応を明言してこなかった。短期決戦となる今回の日程を踏まえ、判断を前倒しして可視化する狙いがうかがえる。発言の重みが試される局面だ。
市選管が定めた日程は12月7日告示、14日投開票で、準備期間は限られる。本人が名乗りを上げれば、すでに出馬表明している元職や新人に再前市長が加わる形となり、構図は一段と流動化する。告示直前の会見は、支持の結集に加え、争点の再提示と陣営の輪郭を示す場になる。論点の整理と説明の平明さが、短い期間での判断材料になる。
揺れた市政の経緯
学歴詐称の指摘を受けた田久保氏を巡っては、10月31日に市議会の2度目の不信任決議（首長に対し辞職を迫る意思表示）が可決され、地方自治法の規定により同日付で失職となった。議会解散後の再不信任は即時失職につながる。行政トップが不在となる以上、民意の再確認は急務であり、出直し選は停滞した案件の再起動に直結する手続きでもある。
伊東市選挙管理委員会は11月4日、出直し市長選を12月14日投開票（即日開票）と正式決定した。結果は当夜に判明する見通しだ。市民にとっては短い間隔での選択が続くが、経歴表記の適正化や情報公開の徹底、政策決定過程の透明性といった基礎的なガバナンスをどう立て直すかが問われる。手順を整え、速度と丁寧さを両立できるかが鍵になる。
広がる構図と争点
元市長の小野達也氏に加え、新人も名乗りを上げており、選挙戦は多角的な様相だ。政治団体「NHKから国民を守る党」（N党）の立花孝志氏は出馬の意向を示していたが、11月9日に名誉毀損容疑で兵庫県警に逮捕され、10日に送検された。情勢は流動的だが、話題性よりも実務性をどう担保するかに関心が移る。候補者の説明責任と組織運営の実像が問われる。
今回の出直し選は、個人の資質の見極めにとどまらず、仕組みの強靭さを測る機会でもある。経歴の記載と検証プロセス、財政運営の透明化、観光と福祉の両立といった身近なテーマが、数値目標や工程とセットで示されるか。短い準備期間のなかで、言葉と手順の確かさが静かに試されている。
