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2025年9月19日、タリバン政権はアフガニスタンの大学に対し、女性が著した書籍をカリキュラムから排除するよう指示した。専門書や実用書も含む約140冊が対象とされ、高等教育の「中身」そのものが書き換えられようとしている。学びの場は誰のためにあるのか?
大学から女性著書が次々と消える
英BBCアフガン向けなどの報道によれば、タリバンの高等教育省は2025年8月下旬に大学用の書籍を審査する新たな指針を示し、約679点が「懸念対象」として挙げられた。そのうち約140点が女性著者によるものだと伝えられている。数字の扱いは報道機関で若干の差があるが、規模の大きさは共通の認識だ。
送られたリストは長さにして50ページに及び、イランの著者やイランで出版されたとみられる310点も含まれていた。委員会のメンバーの一人はBBCアフガンに対し「女性が書いた本はすべて教えることが認められない」と述べたとされ、大学側は短期間での差し替えや教材の再編成を迫られている。
学問の空白――現場が抱える困難
今回の措置は単純な「検閲」を超えて、授業そのものの消失につながる。大学には18の科目について教えることを禁じる通達が届き、そのうち6科目は女性に関係の深い内容だとされる。具体的には「ジェンダーと開発」「女性の社会学」「コミュニケーションにおける女性の役割」などが挙げられている。
注目すべきは、対象に理系や実務書も含まれている点だ。報道では「化学実験室での安全」といった実験の安全指針までがリストに入っていることが伝えられており、単に「女性関連科目」だけでなく教育の基盤そのものが揺らぐ可能性がある。実習や安全教育を担う教員の負担は増え、現場の混乱は避けられない。
ザキア・アデリ元司法副大臣は、自身の著作も対象になったことを踏まえて「タリバンの女性差別的な考え方や政策を考えれば、著作も抑圧されるのは驚くに値しない」と語っている。ある大学教授は、イラン関連の書籍を排除することが学術的な“橋”を断つ危険を招くと懸念する。学術ネットワークが切断されれば、教科書の自前生産で穴を埋めるしかなくなる。
生活を覆う規制の広がりと国際的反応
こうした大学での措置は、より広い規制の一部だ。報道によれば、2025年9月23日付で最高指導者の命令を受け、少なくとも10州で光ファイバーによるインターネット接続が禁止されたという。政権側は「不道徳を防ぐ」と説明するが、通信手段の制限は市民生活と事業活動、特に女性の経済的自立に深刻な影響を与えている。
教育面では女児・女性への制約が根深い。女子は6年生を超えて教育を受けることが事実上禁止されており、かつて例外とされていた助産師養成などの医療系課程も2024年末に閉ざされた。医療人材の供給が途絶えれば、地域医療や母子保健に直接的な影を落とすだろう。
国際機関や人権団体は相次いで懸念を表明している。ユニセフは女子中等教育禁止から4年が経過したとして深刻な影響を警告し、EUや複数の国際団体も教育と保健へのアクセスの阻害を批判している。しかし、タリバン側は自らの宗教解釈と文化的正当化を繰り返しており、外部からの圧力だけで政策が変わる見通しは立っていない。では、これらの規制が将来の世代の学びや地域の生活基盤をどう変えてしまうのか。わたしたちは今、この問いに向き合う必要がある。
参考・出典
- Afghanistan: Taliban ban women from universities amid condemnation – BBC News
- Taliban ban books written by women from Afghan universities – International | Daily Mirror
- Afghanistan bans female authors from university curricula | Education News | Al Jazeera
- Taliban Bans Books Written By Women In Afghan Universities, 18 Courses Dropped
- From looms to laptops, Afghan women lose lifeline in Taliban internet ban
- www.unicef.or.jp