タイ・アヌティン首相が下院解散を表明 最大野党の支持撤回で早期選挙に

タイ政局が急転 アヌティン首相が議会解散、早期総選挙へ

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タイのアヌティン首相が議会解散に踏み切り、予定より早い総選挙への道筋が鮮明になってきた。少数与党を支えてきた最大野党が政権支持を引き揚げる構えを見せたことが引き金だとされる。首相は11日夜、交流サイトに「国民に権力を返す」と書き込み、下院解散の勅令を求める勧告をワチラロンコン国王に提出した。国王の承認は12日付で官報に掲載され、45〜60日以内に選挙が行われる仕組みだ。

支えを失う少数政権、解散で主導権を取り戻せるか

アヌティン氏は2025年9月、前任のペートンタン首相が憲法裁判所の判断で失職した後に就任した。自身のプームジャイタイ党(Bhumjaithai)は中規模勢力にとどまり、政権は当初から少数与党として発足した。その代わりに、最大野党「国民党(People’s Party)」の協力を取り付け、4カ月以内の下院解散と憲法改正の国民投票を行うと約束したと報じられている。

しかし憲法改正案の審議では、上院の権限をどこまで弱めるかを巡って与野党の溝が深まった。国民党は上院の拒否権を大きく制限する案を主張したのに対し、プームジャイタイ党側は、改正手続きそのものが頓挫するリスクを理由に慎重姿勢を崩さなかった。最終的に、上院議員の3分の1以上の賛成を必要とする案が可決されると、国民党は「合意違反だ」として不信任案の提出と政権支持の撤回をちらつかせた。

こうした状況で、少数政権が国会にとどまれば、不信任決議で敗れるか、重要法案が通らない「ねじれ」が長期化する恐れがある。アヌティン氏が「権力を国民に返す」と強調し、解散を選んだ背景には、失われつつある政治的正統性を選挙で補強したい思惑がにじむ。タイはカンボジアとの国境紛争という安全保障上の危機にも直面しており、政府の対応への評価がそのまま選挙の争点となる展開も予想される。

憲法改正と繰り返す政権交代、次の選挙が問うもの

今回の解散劇は、一連の政権交代の延長線上にある。2017年憲法の下で行われた23年総選挙以降、軍や王党派と距離の近い勢力と、改革を掲げる勢力が拮抗し、首相は短命に終わるケースが続いてきた。スレッタ氏、ペートンタン氏と、直近2人の首相はいずれも裁判所の判断で退陣に追い込まれ、アヌティン氏はこの2年あまりで3人目の首相となる。

対立の核心にあるのが、憲法改正と上院の位置付けだ。国民党は、市民の直接選挙で選ばれていない上院が首相選びや憲法改正に大きな影響力を持つ現行制度を問題視し、権限の縮小を求めてきた。一方、アヌティン氏は改正自体には前向きだが、上院の反発で全ての改正プロセスが白紙に戻る事態は避けたいとして妥協案を模索してきたとされる。今回の決裂は、その折衝の限界を浮き彫りにした形だ。

下院解散によって、憲法改正を含む政治改革への民意が、あらためて投票で測られることになる。王室の勅令が発効した12月12日から45〜60日以内に総選挙が行われ、遅くとも26年2月8日までに新しい下院が選出される見通しだ。国境紛争と景気減速が続く中、有権者は「安定を優先するのか」「制度改革を急ぐのか」という難しい選択を迫られる。次の選挙結果が、短命政権の連鎖を断ち切るきっかけとなるのかどうかが問われている。

参考・出典

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