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三井住友建設は、倒木や落枝による事故を減らす狙いで、樹木リスク評価システム「tree AI(ツリーアイ)®」の基本システムを開発した。写真を撮るとAI(人工知能)が画像解析でリスクを自動判定し、点検データを台帳として蓄積できる。樹木管理の現場が抱える「人手不足のまま、見落としを減らす」という難題に、デジタルで道筋を付けようとしている。
点検の現場が困るのは「全数を見切れない」ことだ
街路樹や公園の木は、問題が表面化する前に兆候を拾うほど安全につながる。ただ、巡回の頻度を上げるほど人と予算が要る。国土交通省の調査は、国や自治体が管理する高木の街路樹約720万本を対象に2018〜2022年の倒木を集計し、年平均約5200本の倒木を確認した。平時の点検をどう回すかが、自治体の負担として積み上がっている。
tree AIの狙いは、専門家が担ってきた「初期評価」を軽くする点にある。スクリーニングとは、異常の可能性が高い対象を先に拾う手順である。システムは撮影だけで判定でき、樹木1本あたり数分で評価できるとしている。危険の疑いが出た木だけを樹木医が精密診断する流れにすれば、限られた専門人材を“最後の判断”に寄せやすい。
事業化は「精度」だけでなく「運用の型」が鍵になる
基本システムは、全国の複数自治体で実証に使われている。三井住友建設は、京都府木津川市での実証状況も示し、協力先が20を超える自治体や民間企業に広がっていると説明した。宮崎県都城市でも、DXチャレンジプロジェクトで採択され、倒木リスク低減と維持管理の効率化を検証する計画が示されている。集まる診断データは、AIの学習用としても蓄積される。
現時点の評価項目は「樹勢」「樹皮の状態」「キノコ」の3つで、開口空洞や枯枝へ順次広げる計画だ。三井住友建設は2026年度にデジタル台帳の先行販売、2027年度にAI評価も含めた製品販売を目標に掲げた。一方で、AI判定は初期判断にとどまる以上、誤判定の扱いと記録の残し方が要になる。現場が安心して使える“点検の型”を作れるかが、普及の分岐点になりそうだ。
