連邦主導で足並み揃え　トランプ米大統領、AI州規制抑制の大統領令に署名

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2025.12.15

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トランプ米大統領は2025年12月11日、AIの州規制が「ばらばら」になることを抑える大統領令に署名した。司法長官に州法への異議申し立てを担うタスクフォース設置を命じ、商務省には州法の評価を求める。さらに、ブロードバンド補助金の一部を州のAI法と結び付ける仕組みも盛り込み、州側の反発が焦点になっている。

「独自ルール」を譲りたくない州が持つ政治カード

州議会や州知事にとってAIは、雇用や産業育成だけでなく、詐欺対策、選挙の偽動画、個人情報保護といった住民の不安に直結するテーマだ。AP通信によれば、カリフォルニアやコロラドなど複数州はすでにAI関連法を成立させ、用途別の規制も広げている。州が「現場の困りごと」を根拠に独自ルールを積み上げてきた経緯は重い。

政治面では、連邦政府が州の立法を一括で縛る姿勢そのものが対立の火種になる。Politicoは、フロリダ州のデサンティス知事が、大統領令で州の対応を先回りして止める発想に疑問を示したと伝えた。党派をまたいだ知事や州司法長官が結集すれば、訴訟だけでなく議会工作でも政権の運用を鈍らせる余地がある。

訴訟と資金停止で迫る設計、争点は「どこまで連邦が言えるか」

大統領令は30日以内に「AI訴訟タスクフォース」を立ち上げ、州法が州際通商を不当に縛る、既存の連邦ルールが優先するなどの理屈で争う構えだ。90日以内に商務省が州法を点検し、「過重」と判断した州にはBEADと呼ばれるブロードバンド補助金のうち非整備目的の資金を絞る方針も示した。ホワイトハウスは、統一的な枠組みが競争力に必要だと位置付ける。

一方で、州法を無効化できる範囲や、補助金に条件を付ける手法がどこまで許されるかは、法廷で細部が問われやすい。Reutersが11月に報じた段階から、州当局の反発は想定されていた。大統領令は児童保護などを将来の連邦立法で広くは奪わない例外も掲げるが、線引きは政治交渉に戻りやすい。統一と分権の綱引きは、AIの成長速度よりも先に制度の限界を映し出す可能性がある。

「独自ルール」を譲りたくない州が持つ政治カード

訴訟と資金停止で迫る設計、争点は「どこまで連邦が言えるか」

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