役員報酬と自社株買いに照準　米国が防衛産業を点検

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2025.12.23

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トランプ米大統領は2025年12月22日、主要な防衛関連企業のトップと翌週に会談し、装備品の生産遅れやコスト超過を是正する考えを示した。焦点は現場の工程管理だけではない。役員報酬や自社株買い、配当といった株主還元が、目標未達の遠因になっていないかも俎上に載せる。

「納期に遅れる企業」に資本政策で圧力

会談で議論するのは、遅延や超過が続く案件に対し、企業側が人員や設備、部品調達へ十分に資金を回しているかという点だ。トランプ氏は、利益の使い道が株主向けに偏れば、サプライチェーンの詰まりや現場の手戻りを放置する温床になり得るとの問題意識をにじませた。

Reutersは、政権が遅延かつ予算超過の契約企業に対し、配当や自社株買い、経営陣の報酬を抑える措置を大統領令で検討していると報じている。対象となり得る企業として、Lockheed MartinやNorthrop Grummanの名が挙がり、F-35戦闘機やSentinel大陸間弾道ミサイル計画など、大型案件の管理が政治課題になっている。

国の調達改革と「産業基盤」再設計の行方

防衛装備の遅れは、兵士の配備計画や訓練の前提を崩し、納税者の負担を膨らませる。今回の動きは、企業の財務行動に踏み込むことで、調達側が主導権を取り戻そうとする試みとも言える。一方で、株価を支える還元策を絞れば、資金調達や研究開発の機動力を損ねる懸念も残る。

背景には、政権が「獲得までの時間」を縮める調達改革を進めてきた流れがある。ホワイトハウスは2025年4月、国防調達の近代化と産業基盤のイノベーションを掲げる大統領令を出した。22日の発表では、海軍の艦隊拡充構想も同時に語られたとAPやReutersが伝えており、発注を増やすだけでなく、遅れの責任の所在を再定義する局面に入った。

「納期に遅れる企業」に資本政策で圧力

国の調達改革と「産業基盤」再設計の行方

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