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トランプ米大統領は12月18日、2026会計年度（2025年10月1日～2026年9月30日）の国防権限法（NDAA）に署名し、成立させた。規模は約9010億ドルに達し、同盟国支援と米軍の態勢維持を同時に押し込んだ形だ。
駐留米軍の「下限」が示すもの
今回のNDAAは、在外米軍をめぐる大統領の裁量に歯止めをかけた点が目立つ。Reutersによれば、欧州の米軍兵力を7万6000人未満に減らすことを制約し、部隊削減に条件を付けた。韓国についても、現行の2万8500人規模を一方的に下回らせない規定が盛り込まれた。
同盟国にとっては「米国が突然いなくならない」安心材料だが、裏返せば、米国側の政治状況次第で負担の押し付け合いが起きやすい構図でもある。韓国条項は、削減を完全に禁じるのではなく、国益判断や同盟国との協議などの認証を条件にする設計だ。固定化と柔軟性の綱引きが続く。
巨額枠の中身、支援継続と優先順位
NDAAは、国防費の上限だけでなく、政策の方向も決める年次法である。Congress.govの法案要旨は、調達、兵員、医療、サイバーに加え、ウクライナやインド太平洋など対外関与の項目を含むと整理する。Reutersは、ウクライナ向けには2年間で8億ドルを盛り込んだと伝え、支援継続を法に刻んだ。
台湾をめぐっても、議会調査局（CRS）は、台湾安全保障協力イニシアチブ（TSCI）を軸にした支援規定がFY2026のNDAA審議に組み込まれてきたと説明する。欧州、朝鮮半島、台湾、ウクライナを1つの法に束ねることは、米国の抑止を広く見せる一方、同時多発の危機が起きたときに何を優先するのかという問いを残す。
参考・出典
- Congressional Bill S. 1071 Signed into Law – The White House
- Trump signs nearly $1 trillion annual defense bill without fanfare (Reuters, Dec. 18, 2025)
- S. 1071 – 119th Congress: National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2026
- Taiwan: Defense and Military Issues (CRS In Focus IF12481, Congress.gov)
- US Senate approves annual defense policy bill restricting USFK troop reduction – The Korea Times
