トランプ氏「独禁法上の問題」　Netflixのワーナー買収計画に懸念表明

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2025.12.08

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米国時間7日、トランプ米大統領が米動画配信大手Netflixによるワーナー・ブラザース・ディカバリー買収計画について、独占禁止法上の「問題になり得る」と懸念を示した。世界最大級の配信サービスと有力スタジオの統合は、視聴者の料金や作品の選択肢に直結するだけに、政治がどこまで審査に踏み込むのかが焦点となる。

視聴者の選択肢はどう変わる？巨大配信再編の影

Netflixは既に世界最大級の有料動画配信サービスとされ、買収が成立すればワーナー側のHBO Maxなどを加え、米ストリーミング市場の3割前後を握るとの試算もある。ひとつの企業が人気シリーズや映画の権利を抱え込めば、他社サービスで観られる作品が減り、値上げや広告増加を通じて利用者の負担が増すのではないかという見方が出ている。

実際、米議会では超党派の議員が「視聴者の選択肢を狭める」として懸念を表明し、俳優や脚本家の組合も、作品の買い手が絞られることでギャラ交渉力が落ちかねないと問題視している。一方でNetflix側は、統合による制作費や技術投資の効率化で、より多くのコンテンツを世界に届けられると主張しており、「巨大化＝悪」とは言い切れないとの声もある。

政治はどこまで口を出すのか――審査プロセスのゆくえ

今回の買収は、米司法省の反トラスト局などが独占禁止法に照らして審査することになる。そのうえでトランプ氏は、既に巨大な市場シェアが一段と膨らむと指摘しつつ、自身が意思決定プロセスに関与する考えまで示した。政権トップの発言は、法執行が政治的な思惑に左右されないかという別の懸念も呼び起こしている。

米国では過去にも、大手通信・メディア企業の合併をめぐり、大統領や政権高官の発言が司法省の対応に影響したのではないかと議論になった例がある。今回もホワイトハウスは早い段階から「懐疑的」との立場を示しており、司法省と連邦取引委員会（FTC）がどこまで独立性を保てるかが試される形だ。審査の結果としては買収の全面差し止めだけでなく、部門の切り分けや人気チャンネル売却、特定作品の独占配信を禁じるといった条件付き承認も想定される。いずれにせよ、誰がどのコストをどこまで負担し、どこまで市場の集中を許容するのかという問いが、今回の動きによって突き付けられている。

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