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米国のトランプ大統領は12月11日、ウクライナ戦争の停戦を巡り13日に欧州で開かれる協議について、合意に向けた進展が期待できると判断した場合にのみ、米国から代表を送る方針を示した。米国が参加を見送れば会談の重みは薄れかねず、和平プロセスの流れが変わる可能性も意識されている。
欧州の週末会合、鍵握る米国の参加可否
欧州では週末、ウクライナやフランス、ドイツ、英国の高官が集まり、停戦とその後の安全保障を話し合う会合が予定されている。米国の提案する和平案も議題となる見通しで、欧州側は自らの役割を確認する場とみている。
一方、ウクライナ政府は米国が後押しする案の一部がロシア寄りだと懸念しており、ドンバス地域の扱いや「自由経済圏」構想には特に慎重だとされる。欧州各国も、自分たちの頭越しに米ロで妥協が進むことを警戒している。
ウクライナや欧州の交渉担当者にとって、米国が加わればロシアへの圧力は増すが、参加がなければ自らの裁量は広がる一方で後ろ盾を欠くことになる。前線の砲撃や避難生活が続く市民から見れば、こうした外交日程の小さな判断が、戦争がいつ終わるのかという切実な問いに直結している。
「無駄な会談は不要」が映す米政権の計算
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、13日の欧州会合は停戦に向けた前進が見込める場合にだけ出席や代表派遣を検討すると語り、「時間を無駄にしたくない」と強調した。政権として、成果が乏しい会談への関与を絞る方針をにじませた形だ。
Reutersによれば、政権はここ数週間でロシア、ウクライナ、欧州の代表と計30時間以上協議してきたが、大統領は歩み寄りの遅さに強い不満を抱いている。会合参加をカードとして掲げることで、キーウ側に米案の受け入れを促しつつ、国内には「無駄な国際会議に距離を置く指導者」としての姿も訴えようとしている。
11月にはジュネーブで米ウクライナ協議が開かれ、ホワイトハウスの共同声明は「建設的だった」と成果を強調したが、領土や治安の枠組みなど核心の争点は残されたままだ。最大の軍事支援国である米国がどこまで関与を続けるのかという不透明さを抱えたまま迎える週末会合は、和平プロセスの針路を占う一場面となる。
